…………………………。
………………………………………。
……………………………………………………。
…………っは!!はぁ、はぁ…。
急に浮上した意識。海の底から上がってきた感覚に似ている。
はじめてではないけど、それにしたって今回のはかなり潜っていたせいか
海の奥深くまで溺れていた感覚と疲労も尋常じゃない。
閉じていた目を開ければ少し目の前がチカチカした。
日向もちょうど目を開けたところのようで、目を手でこすっていた。
瞬間、体から力が抜けて尻もちをつくように後ろに倒れた。
後ろは布団で、お尻が痛くなかったのが幸いだ。


「……。オロオロ」


日向の隣にいた水戸部が、倒れたオレを心配している。
それにしても今は何時だろう。
何時間水戸部に心配をかけていたのだろう。
ちょっとそこが気がかりだ。


「大丈夫だよ、水戸部。少し疲れただけ。
そうそう、今何時?」


笑って言えば、心配そうな顔をされた。
しまった!逆効果か!
そんなことを思っていたら、水戸部が時計を見してくれた。
時間は午後23時56分。もうすぐ今日が終わるような時間だった。
かなり時間がたっている。
その時間ずっと水戸部は心配してくれていただろう。
嬉しい反面申し訳ない。


「あ〜…、ぼーっとする…」

「ああ、仕方ないよ。我慢してね」


日向がぼーっとするのはオレに記憶を見られていたから仕方ない。
日向の記憶はわかった。
多分これがある人(多分伊月ちゃん)の記憶を見たい動機なのだろうが
なぜ見たいのかがいまいち把握できない。
ま、もうどっちにしろ協力する気ではあるけどね…。


「いろいろ聞きたいけどオレもうダメ…。眠い…」


そういってすぐにさっきとは違う意味で意識がブラックアウトした。


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