これは8年前の記憶…。



研究所の中には陰陽師を育てるための教育機関がある。
俺はそこに5歳の時から通い陰陽師の教育を受けていた。



何歳から通えるかは決まってはいない。
ある程度物事がわかるようになれば通えるそうだ。



俺の家に母さんはいない。俺がかなり小さいときに死んでしまったそうだ。
そのためか俺は同い年の子供より頭の発達などが早かった。
立つのも、歩くのも、しゃべるのも同い年の子より一歩以上早かった。
父さんはいつも忙しそうで、だけどちゃんとかまってくれて、
だから俺は早く大きくなりたくて、こんなに発達が早かったのではないかと自己分析している。



いつも忙しそうな父さんの仕事がどんななのか、興味を持った。
何歳ごろ思ったかなんて覚えてはいないが、確かに興味を持っていて、
父さんが休みの日に聞いた。



父さんはなかなか教えてはくれなかった。
今思えばそのとおりだろう。
こんな危ない仕事
やるかどうかはわからなくても教えたくはないし、巻き込みたくもない。



それでもかなりしつこく聞いた。
そういうところは本当、子供で、
だからこそ俺は今この仕事をしているししつこく聞いてよかったと思うんだ。



ある日俺は父さんに呼ばれた。
いつも通り俺は授業を受け終わり、家に楽な格好でゴロゴロしていた。



その日、どうしてそんなに早く父さんが帰ってこれたのかは知らないが、
そのまま俺は父さんに連れられまた研究所に向かった。


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