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俺の母さんは、人より髪が長かった。


母さんの家系には、昔、突然変異で妖怪、毛女朗になってしまった人がいたそうだ。
それ以来母さんの家系は、髪が人より早く長くなるそうだ。
俺はその人の先祖返りの妖怪。
その人よりも妖力は、強いらしいが。
生まれた頃から妖怪だった。


それでも母さん達は俺を愛してくれた。
妖怪は研究所に連れていかなければならない。
しかし、そこがどんな場所か知っていた母さん達は小さな赤ん坊の俺を連れていかれないように、逃げてくれた。
そんな逃亡生活が六年経ったある日、家が見つかり、その場で俺達は捕まった。
逃げたり、抵抗したり、反抗したりした妖怪は、独房に入れられる。
それを手伝った家族も一人一人牢屋に入れられる。
それを知った六歳だった俺は、俺達を捕まえに来た黒いスーツにサングラスをかけた男達にいった。


「俺が母さん達を無理矢理手伝わせたんだ!

母さん達は関係ない!
連れていくのは俺だけで十分だろ!!」


それを誰もが許してはくれなかった。しかし、一人だけが、許してくれた。


「お前、子供のくせにいい度胸だな!気に入った。いいぜ、お前だけにしてやる」

「日向さん!」

「いいだろっ!子供のかわいい願いじゃないか」

「しかし!!」

「いいじゃないか!ほら、連れてけ」


そうして俺は、日向という人に、願いを叶えてもらった。


「あのお願いがあります!」

「何だ?聞くだけは聞くが。叶えるかは、わからんぞ?」


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