side水戸部


朝起きると携帯にメールが来ているとあり、
開いてみると珍しく日向からだった。
内容を見るとさらに驚いた。頼みごとだったからだ。
今日はこの頼みごとのために買い物に行かなくては。
考え事をしながらいつも通り朝食の準備をする。
小金井はいまだ夢の中。



朝ごはんを食べ終え、小金井に朝のメールを見せる。
皿を洗っている俺の背中に背中合わせに寄りかかって小金井はメールを見ている。


「ふ〜ん。じゃあ今日買い物行くの?」

「コク(そうだよ)」

「それで、なんでオレも一緒?
いや、水戸部と一緒はうれしいけど」

「(女の子の好みは、俺はわかんないから…)」


苦笑しながら手は止めずに皿を洗う。


「あ!今苦笑いでしょ、水戸部!」


なぜか嬉しそうにそう言って俺の顔を覗き込む小金井。
突然の言動にはもう慣れて、ビックリはしないけれど、
表情を言い当てられ、なぜわかったのかと問えば。


「そんな風な雰囲気だったから!」


と無邪気に笑う小金井がとてもかわいらしくて、
言い逃げのごとく、リビングのソファに向かった小金井を見送って、
小金井にも何か買おうと決めた。


- 4/5 -

back