side水戸部 朝起きると携帯にメールが来ているとあり、 開いてみると珍しく日向からだった。 内容を見るとさらに驚いた。頼みごとだったからだ。 今日はこの頼みごとのために買い物に行かなくては。 考え事をしながらいつも通り朝食の準備をする。 小金井はいまだ夢の中。 朝ごはんを食べ終え、小金井に朝のメールを見せる。 皿を洗っている俺の背中に背中合わせに寄りかかって小金井はメールを見ている。 「ふ〜ん。じゃあ今日買い物行くの?」 「コク(そうだよ)」 「それで、なんでオレも一緒? いや、水戸部と一緒はうれしいけど」 「(女の子の好みは、俺はわかんないから…)」 苦笑しながら手は止めずに皿を洗う。 「あ!今苦笑いでしょ、水戸部!」 なぜか嬉しそうにそう言って俺の顔を覗き込む小金井。 突然の言動にはもう慣れて、ビックリはしないけれど、 表情を言い当てられ、なぜわかったのかと問えば。 「そんな風な雰囲気だったから!」 と無邪気に笑う小金井がとてもかわいらしくて、 言い逃げのごとく、リビングのソファに向かった小金井を見送って、 小金井にも何か買おうと決めた。 |