「おい、伊月!!!!」 それから一時間過ぎたあたりの時に、 この前のメガネの陰陽師が俺達のところまで走ってきた。 何事かと全員でメガネの人を見る。 「何かあったの?日向」 メガネの人は日向というのかと、どうでもいいことを思った。 「ああ」 ひどく落ち着きのない日向さんに、 疑問を思ったのだろう小金井が日向さんに触れる。 瞬間、小金井の顔に驚愕が浮かび、俺のほうを見た。 なんでそんな顔をしているの? 俺に関係のあることなの? どういうこと?俺に関係することなら早く、早く教えて…。 嫌だ、聞きたくない。 ひどく胸騒ぎがする。 鼓動が早くなる。 耳をふさいで何も聞こえなくしたい。 ダレモナニモイワナイデ…。 ソウイエバ今日ハ、オ母サンガ 俺ニ着物ヲ持ッテキテクレルハズジャナカッタ…? 〔パリンッ〕 と、頭の中で聞こえてきたはずの音すら遠くに聞こえた。 |