一番奥の独房の近くにも今は、妖がいるようでこちらに視線が来る。 というかかなり敵意むき出しの視線が刺さる刺さる。 オレは泣きそうだよ! 「…何しに来たんだよ、お前ら。見たことねぇ奴だな」 目的の独房の真向かいさんから声をかけられた。 低くした声からはやっぱり敵意が溢れている。 オレがいたほうがもしかしたら敵意少なくなるかな? 〔ボフンッ〕 思いたったら即行動!オレは人の姿になった。 敵意は薄くなるどころかさらに増した…。 なんで!? 「…そいつは?新しい奴か? それともオレらのために無理やり連れてきたやつか?」 ああ、とても優しい人なんだなって思った。 さあ!伊月ちゃんに、の用事もさっさと終わらせたいし説明しよう! 「あのね!そんなんじゃないよ!」 向かいの人はびっくりしている。 水戸部達はオレに任してくれるようだ。 「はじめまして!オレは小金井 潤紗。君は?」 「オレは宮地 馨美」 「あのね、オレ達ちょっとある人に用事があるの! あ、ただの純粋な用事だから心配しないで!」 「………ふ〜ん。わかった」 オレの話を信じてくれたようで、敵意がかなり少なくなった。 ん〜、陰陽師は嫌いなのかな? 残りの少ない敵意は水戸部たちに向いてるし。 水戸部達はいい陰陽師なんだけどな…。 自然と顔が苦笑いになるのを直す。 |