〜〜〜



「ちょっと人に会ってもらいたいんだ」

「人?」

「ああ」


オレは姿を人にしてソファーに座っている。水戸部はオレの横。
触れるくらい近いけど今はふれてはいない。
そして日向はテーブルを挟んでオレの向かい側に座っている。



さて、人に会うってことはオレの能力の記憶を覗く力を使いたいのだろう。
だって人ならたとえしゃべれなくとも言葉を書けばいいし!
オレあったまいい〜!


「誰かの記憶を見るの?」

「そうだ」


いえい!ビンゴ!!
んん?とすると理由が気になる…。


「理由は?」

「あー…。説明しにくいな。…もういいや、俺の記憶見れば早いだろ?」


その日向の記憶にある人の記憶を見てほしい理由があるのか。
本来人の記憶を見るのは好きじゃないけど…。
本人がいいって言ってるし、見るしかないか!


「結構昔の記憶?」

「ん?…ああ!うん。俺のも見てほしい奴のもかなり昔の記憶だ」


そうか…。
今の時間は午前11時46分。うん、今やったらオレが疲労で死ぬね。


「よし!夜になったら見るよ。今日は泊まってってね」

「ホントか!?ありがとう!ああ、じゃあ泊まるわ」

「時間もちょうどいいしお昼にしようか!」

「……。コク」


そういうとさっきまで黙って聞いていた水戸部が同意するようにうなずき、
ご飯の準備のためキッチンに向かっていった。


「日向はそこにいてね。水戸部、オレも手伝う〜」

「……。コク」


そんな水戸部を追いかけて言えば、
水戸部は振り返って嬉しそうに笑ってうなずいた。


- 2/3 -

back