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その後オレは、声のでない子-水戸部 凛之助に慰められ、
自己紹介もついでにしてもらい、名前がわかった。
いくぶん落ち着いたオレは、また質問した。


「で、陰陽師ってなに?」

「陰陽師は、先祖返りなどの本当の妖ではない妖を捕まえたりしている者のことだ」

「ふ〜ん。捕まえた後はどうするの?」

「本当に害のある本妖を捕まえるさいの手伝いや、抵抗した場合は檻の中。
力が強いやつは実験されたりするな」


うげっ、檻も実験もやだなぁ…。まぁ、オレはたいして力ないけどさー。


「で、お前はどうする?」

「え、それはどういう?」

「思考が読めるならわかるだろ。檻の中か手伝いかだよ」

「うーん。……手伝うけどさぁ。手伝う人、自分で決めていい?」

「ああ、別にかまわん」

「んじゃ、水戸部!」

「………!?(え、俺!?)」

「水戸部はやだ?」

「………フルフル(ううん。いいよ)」

「やった!」


絶対オレ、水戸部じゃないと手伝う気がおきないと思うんだよねー。


「水戸部の考えもこれで伝わりやすくなるだろ」

「え?」

「水戸部は声がでないため、意見がわからないときもあったが、
お前がいればそれも解消だ」


そうだったんだ…。
じゃあ、これからはみんなに水戸部の思ってること、オレが伝えれば、水戸部が優しい子だってみんなわかるよね!!


「さあ、用も済んだ。帰っていいぞ?」

「はーい!水戸部っ、行こっ!」

「………ペコ(失礼しました)」


そうしてオレと水戸部は部屋を出た。



その後帰る場所のことでひと悶着したけど、
結局水戸部が折れて、水戸部の家に住めるようになった。


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