「ここは陰陽師が結界を張っている妖怪専用の独房。 監視カメラのないところから攻撃しても、結界が揺らいですぐバレて、高圧電流がその足枷から流れて体が痛くなるよ」 「何でそんな詳しく知ってんだよ」 「三年間、居るからね」 「三っ!お前何歳?」 三年、って長いかな? 「九歳だよ」 「九歳だと、六歳から?俺の一つ下か」 「うん。そうなんだ」 「それにしても三年間もよく我慢してられたな」 「慣れたし、それにここに来るとき覚悟したからね、ここで一生暮らすって」 「慣れるもんか? それにそんなすごい覚悟したのかよ。 いつか出てやるとかの希望とかないの? それに何で高圧電流が流れるって知ってんだ?」 「希望・・・、 母さん達が着物を三年に一度送ってくれるからね。 愛してもらってるってわかるから、俺は生きてられる。 電流の話は夜になればわかるよ。 ほら、もうすぐ夜だ」 「?」 妖怪は朝か夜かわかるらしいという話がある。 そのせいか俺は夜になるのがわかる。 夜になり、髪の質が変わる。 妖力が溢れ出す。 足枷から電流が流れてきて全身に流れる。 〔バチバチバチ!〕 「うぁあああ!」 いつも通り響く俺の声。 |