"テレパシーなんてあり得ない!!"と真っ向から反論した私は、唖然としていた。
パァアァッ とまるでファンタジー映画のワンシーンのように眩しい光に包まれたマメパトは、どんどん形を変えていく。
えっ、進化!?いきなり!?嘘!!
いきなり輝きだしたマメパトに呆気にとられた私は茫然とその様子を見守るしかなかったが、目も開けていられないくらいに眩しく感じる。
光が収まり、おそるおそる目を開けた私の視界に映ったのは、淡い薄ピンク色をした猫のようなポケモン…"ミュウ"だった。
マメパトは、もう見当たらない。
「なんで…!」
目の前で起こった出来事なのに状況がよく呑み込めないんだがどうしようか。
ミュウは愉快そうに宙をくるんと舞ったのちに、両手を口に当てて可愛らしくクスクスと笑った。
まるで、悪戯が成功した子供のように。
《あのね、僕はちょっと用事があって君に会いに来たんだ》
ミュウがフワフワと漂いながらテレパシーで私に言葉を伝える。
《このまま君が此処にいると、本来交わらないはずの2つの世界の均衡が崩れて…どっちも消滅しちゃうかもしれないんだ。あくまでも"かもしれない"だけどね》
"2つ"というのは多分私の元いた世界と、ポケモンの世界の事だろう。
事も無げに軽々とそう言うミュウだが、とてつもなくヤバイ話である。消滅だなんて、冗談じゃないよ…!
"かもしれない"でも消えてからじゃ間に合わないんだから…!
《だからアルセウスは今"トウコ"っていう人間がむこうの世界のどこに飛ばされたのか探してるんだよ、連れ戻すために。》
─話が壮大過ぎて置いていかれてる気がするのだけど取り敢えず黙って聞いておく。
《それで僕は…君をむこうの世界に還してあげるためにわざわざ来たんだ!》
偉そうだなー…そう思った方、きっと1人はいるはず。
エッヘン、と心なしか胸を張っているようなミュウはこの上なく可愛い。
返してあげる…って!私、今から返してもらえるんだ…!家に帰って自分の部屋で寝れるんだ…!
感動と感謝によりいつもより寛大になった私は直ぐ様土下座。
「神様仏様ミュウ様…!ありがとうございますぅぅう!」
この世界に来て早いこと約1週間とちょっと。
殆どをジャイアントホールの森でのサバイバルで過ごしたけど悔いはない!トウヤにも会えなかったしN様にも会えなかったし全然会えてないけど悔いは無いよ!…多分。
「さあ、私を今すぐもとの場所に…!」
キラキラとした眼差しでミュウ様を崇めた私だったが、次の瞬間爆弾を落とされた。
《僕、専門外だし》
……。
「じゃあ何で来たのよお前ェェエ!」
全身全霊でツッコミを入れると、ミュウは再び愉快そうにクスクス笑った。
《僕は、君が還る道を見付けるための旅、に付いていく役目だから》
矛盾…今なら是をうまく有効活用出来る気がする。ミュウさんあなた一体何のために此処に…!
《本当だったらディアルガとパルキアの仕事なんだよ、こういうの!あいつらだったらこの場でパパっと…だけど今は人間のところにいるからな〜…だから僕。》
成る程、要するに人手…ポケモン手が足りなかったわけですね。
ミュウは無言で頷いた。
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ミュウを出したいがために最初に書いていたものから大幅に改造しました…次からはpart2になりますが、ここからやっと緑の蛇が出てきます…。
改造するまえの旧のものを読んでくださっていた方は想像がつくと思われます多分。
例のシャンデリアは出すか出さないか検討中ですが、多分出ない…
オーバ(?)じゃないけど燃え尽きたぜ…、


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bkm



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