具合の悪いわけでもなく、ただ気を失っていただけの私は退院(?)する許可がすぐに降りた。
ジョーイさんは別れの時に"自宅でゆっくり療養為さって下さい"とエンジェルスマイルで仰っていたのだが…この状況だと逆に無かった熱が上がりそうな予感。
現在私は、車で移動していた。
5人乗りの車で、助手席に座っている私の後ろにはベルとチェレン、運転しているのはトウコのお母さん。
自ら進んでこの席にいる訳ではなく、むしろ強制的に連行されている。
帰る…らしいけどカノコタウンは此処からじゃ遠くないのかな…私には分からない。
本当なら退院した後は自分の元いた場所に帰るために旅に出たかった。(持ちポケいないけど!)
けれど、3人(ベル・チェレン・トウコのお母さん)は許してくれなかった…というか旅を続けると言うと、ベルから「あんた馬鹿!!?」発言が飛び出た。まさかの。
これにはビックリを通り越して唖然しか無かった。
ゲーム上でしか彼女を見ていなかった私は、普段の温厚な一面しか見ていなかった。
つまり、怒ったときは性格が全く違うというミラクルが起きることを知らなかった。
チェレン曰く、ベルは怒るよりも泣くタイプらしいので、この出来事は珍しいらしい。何とも有り難くない"珍しい"に遭遇してしまったものだ。
つまり私、逃げられないってことですね。そうですか、分かりましたよあははうふふ。
車のなかで不機嫌に明後日の方向を睨み付けていたのだが、"不機嫌"という私の気持ちを斜め上通り越してトウコのお母さんは私が"具合が悪い"="車酔いした"と見事な勘違いを犯してくれた。
…え、トウコさん酔うと明後日の方向睨むの?え、なんか…。


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