何やら話し声が聞こえ、だんだんと意識が浮上してきた。
つい先程まで暗い森にいたはずなのに、何故か目蓋越しに明るい光を感じる。
可笑しい、あの森は光を通さないほど鬱蒼としていたのに…それに、地面が柔らかい。
おそるおそる手を動かして地面を触ると、まるでベッドに横たわっているかのようにふわふわしている。
まさか、もしかして…、もとの世界に戻った…?
いや、それにしては薬品の匂いが鼻を突く…。
ゆっくりと目を開けると、真っ先に映ったのは真っ白な天井と久しぶりに見る蛍光灯。
どうやら私はいつの間にか何者かによって救助されたらしい。
「あら!目が覚めたんですね…!」
横に目を向けると、白い白衣のエンジェル、看護師さんが眩しい笑みを浮かべていた。あれ…、看護師さん髪がピンク…、あ、そっかジョーイさんだ!
起き上がろうとすると、ジョーイさんは慌てて"安静に!まだ横になっていてください"と言った。
お言葉に甘えて気持ちの良いベッドのフワフワを堪能していると、次の瞬間ジョーイさんが衝撃的すぎる事を仰った。
「安心してくださいね、まもなく御家族様がお迎えにいらっしゃると思いますから!」
……へ?
私はトリップしてきたわけで、この世界に家族はいない筈。
よって、お迎えなんて来るはずもない…のだが。
怪しすぎる。
それを伝えようとして慌てて口を開いた私だったが、ジョーイさんは顔を顰めた。
「安静に!今は静かに横になって眠ってください、トウコさん

……………。

思考が停止しそうになるほどの驚きが私を襲った。


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