追憶


「ねぇ梨葉、君と僕はずっと一緒だよね?」

「そう、だね……だって私、ヒロト君が居なくちゃ何もできないんだもん。ヒロト君が居なくなっちゃったら私、どうしたらいいか……」


「大丈夫、僕は君とずっと一緒に居るよ。ずーっと、死ぬまで、ね。」




至極嬉しそうにそう言った彼は私の頭をよしよしと撫でて、ぎゅうと抱き締めてくれた。
あの時の温もりを今でも鮮明に覚えている。

私の世界はヒロトを中心に回っていたと言っても過言ではない。
ヒロトは私の全てだった。
私の存在理由はヒロトだった。



しかしどんなに私がヒロトを慕おうとも、彼はもう私の隣には居ない。
事情が変わったのだ。
あの時の約束など彼は微塵も覚えていないだろう。


そして今日も私は独りでベッドに横たわり、純白のシーツに涙を滲ませるのだ。




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