記憶のページがめくられる
先に進むも振り返るも 自分次第

風がひときわ強く吹く
香りとともに過ぎ行く風
そっとその風に乗る 春のはなびら

流れる情景を瞳に映し空を見上げる
真っ白い記憶のページ
空のように無限に広がる

めくれば しおり代わりに落ちる花びら


ほら
桃色の風が記憶をかすめる

桜が舞い散るこの一瞬 ここにいた
散りゆく姿も儚い美しさ
確かにここにいた春色


記憶のページに名をつけてみる
誰でもない自分の想いの形

風が薄く長くたなびく
音とともに過ぎ行く風
静かにその風に乗る 春のはなびら

そっと指の隙間から空を見上げる
描かれる記憶のページ
一分一秒が無限に広がる

めくれば 描く筆に染み込む景色


ほら
桃色の風が記憶をかすめる

桜が咲き乱れるこの季節 ここにいた
引きつけて止まない美しさ
消えずここにいた春色


目を閉じて耳を傾ける
眠りにつく音 芽吹く音

出会いは別れの延長線上


ほら
桃色の風が運んでくる

ページに新たに描かれる桜吹雪き
さよならとこんにちはを繋げる 花びら
今もここにある春色



春色




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