「聞いてみんな、お知らせがありまぁす!」
ピシッと手を挙げてナマエはにっこりと笑った。その笑顔の可愛いこと可愛いこと、僕の目の前でボリボリとじゃがりこを食していたシリウスはじゃがりこを片手にだらしなく顔を緩めている。なあに、とリリーが問うとナマエは恥ずかしそうにはにかんだ。こ、この反応はまさかの恋人出来ちゃった的なお知らせじゃあ‥‥
「実はわたし、彼氏出来たの」「な、な、なんだってえええええ!!」
そのまさかであった。教室中にシリウスの叫び声が響きわたる中、ピーターはパチパチと手を叩き、リリーは目を大きく見開き、リーマスは盛大に紅茶を吹き出した。うぷぷ、この机シリウスの机だよ。
「机なんてこの際どうでもいい。シニタイ」「重症だね」「重症ね」
リリーとリーマスが顔を見合わせて苦笑いをした。いつもならちょっと机にゴミ落としただけでプンプン怒るのだが、今は怒る気力すら無いらしい。ナマエはシリウスの気持ちを知ってか知らずか、心配そうに上目遣いで顔を覗き込んでいる。
「まあ元気だせよ相棒。‥それでナマエ、相手は誰なんだい?」
僕がからかうように言うと、ナマエはポッと頬を赤らめた。ごくりとシリウスの喉が鳴る。
「スネイプくんなのっ!」