溢れる愛に窒息死してしまいそうなのですが、どうしましょう




風丸双子姉設定
男よりどっちかというと女の子が好きな主と後輩宮坂








この間付き合っていた子と別れることになった。
ちなみに女の子

理由は、なんだったかな?私からすればその子の勘違いであり、たんなる嫉妬にあたることだった。

たしか、やっぱり男がいいんでしょ!とか、ちょっと仲良くした女の子に対してあの子のほうが好きなんでしょ!?などなどヒステリックかつ恋人である私に失礼な言いぐさだった。
好きで一緒にいるのになんでそんな言われ方をされなきゃならないんだ。
私は確かに女の子も好きだが男の子も好きだった。
でも、世間一般に言われるバイセクシャルとはちょっと違って、私は男よりどっちかって聞かれると女の子のほうがいいっていうだけの一般車線から少しばかりズレた車線を走っている人間である。あれ?結局バイなのか?


『どうしたもんかね…』
「なにがだよ」
『うぅ、一郎太〜。お付き合いって難しいよー!』
「はぁ。別に俺は名前がどんな奴と付き合おうと何も言わないけど、同じ女同士で付き合うのは控えたほうがいいぜ」

あ、因みに私と一郎太は双子で今は一郎太の部活の休憩中です。


『むぅ…。なんでよ?』
「名前は、別に男が嫌いなわけじゃないけど付き合う女子は女しか無理な奴なんだろ。つまり付き合う前から歩いている道が違うんだよ」

だから相手も不安になるんだろ。


我が双子の弟ながら恐ろしいほどの考察眼だ。
たしかに私と相手の子は付き合った瞬間から同じ道など歩めないのだ。

でも、それは相手が男でもいえることじゃないのか?男と付き合ってもさっきの女見てただろとか言われるんじゃないか?
あ、でも同性への嫉妬はするだろうけど異性だからしないか?
あれ、そんなこともないか?
考えてたらどんどんわからなくなってしまったのでひとまずまた今度考えることにしよう。



私がごちゃごちゃと考えている間に一郎太は先輩に呼ばれて行ってしまった。


一郎太も居ないし帰ろう。私は鞄を肩にかけその場を立ち去ろうとした。そのとき大きな声で名前を呼ばれた。


「名前先輩!」
耳障りのよいボーイソプラノが耳に響く

『宮坂。』

一郎太の部活の後輩で、そのつてで知り合った。
焼けた肌にまだ幼さの残る顔立ち。たぶんそのへんの女の子より可愛いと思う。実は何度かフリーのときにぐらつきそうになった。

でも弟の部活の後輩である彼に手をだすわけにはいかないので踏み止まっていたのだ。
まあ、ぐらつきそうなときに限って上手い具合にフリーじゃなくなるんだけどね

宮坂は愛らしい深翠の瞳で私を見ながらこれまた可愛らしい笑顔を私に向ける。
「名前先輩また別れたでしょ。しかも一年生の子と」
『え、なんで知ってんの?』
「その子うちのクラスの子なんですよ。わんわん泣いてましたよ」
『えー、』
なんで泣くわけ?振ったのそっちなのに。意味わからん。
「意味わかんないって顔してますね」
なんでわかったんだ宮坂このやろう

「やっぱり、先輩に女の子は向きませんよ」
さっきまでの愛らしい笑みはどこへやら挑戦的に笑う
『宮坂生意気!一郎太と同じこと言ってる。』
「あ、風丸さんも言ってましたか?」
『うん』
「じゃあ、きっと正しいですよ」
くすくすと笑う宮坂。どことなく小悪魔っぽくてきゅん、としてしまった。

『つか、なんでさっきから楽しそうなのよ?先輩が振られて落ち込んでいるってのにどういう神経だこら』
まあ、実際そこまで落ち込んでないけど。

私が聞くと宮坂は静かに歩み寄り私の首へスーッと腕をまわしてきた。

身長差で宮坂が私を見上げることになる。
え、つかなんでこういうことになってんの?まったくもって流れがわからんのだが!!私が小悪魔後輩宮坂の行動にあたふたしていると宮坂が口をひらいた。


「名前先輩、ほんとに僕が楽しそうな理由わからないんですか?」
『………、』
「好きな人が別れたんだから、嬉しくないわけないじゃないですか」
『え、』

宮坂が、私を好き?

「先輩も僕のこと、好きですよね」

『そんなこと、』
ないって言おうとしたのに言えなかった。
たしかに宮坂のことは好きだった。でもぐらつきそうなときにちょうど彼女や彼氏ができるのだ。そして別れた後また宮坂が気になる、このループを私は宮坂に出逢ってから幾度となく繰返してきた。


私が押し黙っていると宮坂は続けて話し出した。


「僕、ずっと名前先輩が好きだったんですよ。でも、言おうとしたときに限って先輩誰かと付き合っちゃうし」

さっきまでとはうってかわって不満そうにぷくりと頬を膨らませる表情に脳内で可愛いを連呼してしまう。
宮坂が私に告白しようとしてたとは全然気づかなかった。つか、私もぐらつきそうなときに相手ができるし宮坂が行動を起こそうとしたときに私に相手がいるしで、どうやら私たちは恐ろしいくらいタイミングがあってなかったようだ。



「僕だいぶ待ったんですからね。だから、聞かせてください」


名前先輩の気持ちを。

そう呟かれた彼の声音に久々に心臓がドキドキした。

やっとタイミングが合った私たち。
だいぶ遠回りをしたけど、彼の溢れんばかりの気持ちに私も精一杯応えよう。




『好きだよ、宮坂』










なんですかねこれ。 恋はタイミングだよ的なことを題にしたかったのに…
みごと玉砕← 文才がほしい(TT)





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