ジリジリと日射しもきつくなり、そろそろ本格的な夏がやってきた。空調の効いた部屋に押し込められた者たちは待ち構えていた事にソワソワと沸き立つ感情を抑えられないでいた。
明日から夏休みだ。
その事実だけが彼らの頭を占め気持ちを昂らせていた。
「三郎」
「なんだよ名前」
「夏休みだし俺ん家で暮らさないか?」
「…いや、夏休み関係なくね?つかそうなった経緯を説明しろ」
突発的な発言をしだした名前を三郎は頬杖をつきながら気怠げに見つめた。 「ながいようで短い夏休みを三郎と甘く過ごしたい」 キラリと流し目をして三郎に言い放った名前の口説き文句にひくりと顔を歪ませる三郎。
「よくそんな恥ずかしいセリフを言えるな」
「いいだろ三郎ー」
お願い!と三郎に摺り寄る名前を鬱陶しいとあしらう三郎。
「ったく、仕方ねぇな」
「やったー!!」
たしかに夏休みというながい期間、付き合ってるとはいえ会える機会は確実に減る。三郎とてなんだかんだで名前のことを好きな身だ。そんななかでの同棲しないかという名前からの誘いは三郎の内心を秘かに喜ばせた。
こうして名前と三郎の性春な夏が始まった。
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「ちょ、名前ッ」
夏休みを一緒に過すために三郎は荷物を持って名前の家に行き、上がった途端手首を掴まれ壁に抑えつけられた。
「三郎、」
「まっ 、ん‥!!」
唇をふさがれ口を開けるように舌先で唇をつつかれたが、抵抗の意として閉じているとゴソゴソと服の中を手が這う。
「あ、バカッ んむっ」
声を出したときには既におそく舌が口内にスルリとすべりこみねっとりと絡められる。
「ん、ふ」
抵抗する気もなくなり名前の背にしがみつくよう腕をまわし自分も応えるよう舌を絡ませた。
「ハァ、ハァ…」
唇を放され息をととのえる三郎。そんなのお構いなしに三郎の胸元に手を這わせる名前。
「ったく、なに盛って…あ ン!!」 「かわいい」
「ちょ、おま、せめて‥ん、部屋で…」
「ここがいい」
「このやろう。おぼえとけよ…あっ、」
シャツを捲られペロリと小さな突起を舐められる。 突起はすでに硬くなっておりそれを名前の指がぎゅう、とつまみいぢめる。
「あん、あっ、や‥」
「ハハ。乳首押し潰してももとに戻るからおもしろいよね」
名前はくにゅりくにゅりと赤く熟れた突起をなんども指の腹で捏ねては三郎の反応を楽しんだ。
「んや、あっ‥あぁっ ん…!ち、くびばっか ハァやらぁッ」
「いいじゃん。乳首だけでイッてよ」
三郎は無意識に股間を名前の太股に擦りつけていたのを名前の手により制止された。
「だめだよ三郎。俺に擦りつけて気持ちよくなろうなんて」
「はぅ、あ、さわって…ン」 「ダーメ。今はここでイッて」 語尾にハートマークがつきそうな調子で言いピン、と三郎の乳首を指で弾いた。 乳首を弾かれ「あ、ン」と声を漏らす三郎。
「素直になればいいのに」
まあそういうとこが可愛いんだけどね。と思いながら名前は三郎の耳を食んだ。
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「あっ、も…ちくび ン やっぁ‥」
爪で先端をカリカリと引っ掻き痛いぐらいに抓ってやると腰をビクリとゆらす。その様が愉しくて名前は口唇に弧をえがいた。
「んあっ、イクッ、出るッ あっ―――…!!」
首にまわしていた腕に力をこめ、ぶるりと身体を震わせ三郎は達した。
「イッちゃった?」
名前は胸に這わしていた手を三郎の背にまわしてゆっくりと頭を撫でた。
「はぁ…はぁ、 名前‥」 肩口にのせていた顔をあげ三郎は名前を見つめた。 「ん。パンツのなか気持ち悪いだろ?風呂行って脱ごうか」
夏の暑さと身体の熱さで汗ばみ、ぺたりと三郎の額にひっついた髪をよけちゅっ、とそこに一つキスをする。そして三郎を抱え名前は浴室へと消えていった。
名前を見つめる三郎の瞳が欲に濡れていたことを名前は知っていたし、三郎もまた名前のなかの獣が獲物を狩るような目で自分を見つめていたことを知っていたのだ。
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