※ほぼ会話文
『晴矢ー!!準備はいい?』 「あぁ。つか、なんでのぼり棒!?」
『うるせー。私がしてほしいからに決まってんでしょ。文句あんの?』
「大アリだ!!」
『いいから登れや!!』
ゲシゲシと蹴って晴矢を急かす。これでも恋人同士だチッと舌打ちして渋々登り出す晴矢。
よしよし、作戦を進めねば私は携帯を出してある人物へメールした。すぐに返信が返ってきて私は顔をにやつかせた。
「ったく、何で俺がこんなこと。つか、意味あんのか?」
「大アリさ!」
「(ビクッ)」
上を見るとそこに居たのは一眼レフとビデオカメラを持ったアフロディだった。つか、なんでいんだよ。羽まで生やしてよ。
「名前に頼まれたからさ。のぼり棒する君を上から撮影してくれって」
「だからって言うこと聞くなよ!名前おまえ何計画してやがんだこのアマ!!」 『黙れ。さっさと登れ腐れチューリップ。世の女は誰だって彼氏の登る姿が見たいんだよ。たく、女心のわからん奴』
もろ馬鹿にした言い方にイラッとする。だいたいそんなの見たいのはお前と一部のマニアぐらいだわ!
「え、でも僕の知り合いも見たいって言ってたよ」 「だから、そいつもマニアなんだろ」
てか、なんで心の中がわかんだこいつ…。
「それは僕が神だk(ry」
下に降りようにも下では名前がバットを構えて鬼畜な顔で待っている。クソ、このドSめ!!上ではアホがカメラ構えてるしよ。 俺はさっさと登って終らせることにした。
「登ったぞー」
『よし、じゃあ降りてこい』
「おお」
なんだ?名前もアフロディもさっきの数倍ニヤニヤしてる。気持ち悪い。 取敢ず足を棒に絡ませ、俺は一気に降りようとした。 「!!?」
俺は降りるのを止めた。 何だ?このムズムズする感覚。
『なにやってんの?早くしなよ』
うるせー、今それどころじゃねぇんだよ。俺はこの感覚の正体を知るべく再び下へと降りることにした。
「ッう、あ」
すべると背筋からゾクゾクとした感覚が襲う。 そうか、わかったぞ。下半身が棒に擦れるから俺はそれに反応したのか。 つか、棒に反応するとかマジ死にたい。 恨めしく名前を睨むもそれは逆効果で、名前は愉しそうに俺を見ている。 くそ、顔面にアトミックフレアくらわしてやりてぇ。 アフロディはアフロディで器用に撮影してるし。 俺は諦め溜め息をついた。
俺はなんとか刺激に耐えながら降りた。
『お疲れ〜』
「取敢ずアトミックフレアしていいか?」
『やだ、晴矢こわーい』
「うぜぇ」
『いいじゃん別に。愉しかったし』
「おまえがな。そういや、アフロディは?」
『編集しに帰ったよ。数日後には届くって。楽しみだね』
「(絶対燃やす!!)」
名前はクスクスと笑いながら南雲に密着した
「(ドキッ)」
『晴矢、』
「…なんだよ」
こんな奴でも彼女なので触れられると嬉しい。 名前が俺を見上げ見つめるその表情は扇情的だった。
これは、くるのか?するのかここで。いや、嫌だとは言わねぇよ。俺だって名前とキスはしたい。
俺はドキドキしながら期待を含み暫く黙っていると名前はいきなり声をあげた。
『ッもう、晴矢可愛い!!』 「…へ?」
『下半身擦れて感じてるのにそれを隠そうとして必死に耐え忍んでる表情なんて堪らない!!私見てて鼻息荒くなったんだけど!なにそれ、もう誘ってんのかコノヤロー。のぼり棒最高!!取敢ず続き家帰ってスる?』
なんだこれ、すげぇ恥ずかしい。取敢ず数秒前の俺を消したい。期待をした俺がバカだった。 そうだ、こいつはこういう奴だった。 俺は恥ずかしさと虚しさと切なさにおそわれた。
目の前にはこれでもかというぐらい鼻息を荒くさせる名前がねぇ聞いてる?とかおいこら無視すんなと暴言を交えながら足を踏み俺の尻を揉んでいる。
どさくさに紛れてなにしやがんだこいつは!!
俺は、本日二度目の溜め息を吐きこう言った。
「この変態が!!」
(だからなに?) (開き直りやがった…)
|