自重しない主と照れる佐久間
暑い。限りなく暑い。いや、死ぬな。これ死ぬかもだわ。だってさ、室内すごくむしむししてるし何なの?殺したいの?あーもうまじ早くエアコンつけろやバカ。
「佐久間ー、まだ?」
「あー、今点ける点ける」
麦茶を持ってきた佐久間がダルそうにスイッチを入れようとした。
あー、よかった。これでやっと涼しくなるわ。 つか、麦茶取りに行く前にスイッチ入れてけよ。まじ頭悪いな佐久間。だからおまえ、私が勉強教えなきゃいけなくなんだよ。まじ快適にしてくんなきゃやる気そげる。
「あれ…、」
佐久間が首を傾げる。いやいや、そんな展開は信じないよ?そんなベタなことは受け付けないからね!
「悪い、壊れたわ」
苦笑いをして言う佐久間を見て私はイラついたので奴の眼帯をむしり掴み、ゴムパッチンのように佐久間の目にビタン、と貼りつかせた。
「いだっ!!ちょ、おまっ痛いって!目が、目がァ゛!!」 「黙れ中二病。テメーの為に来てやったのにどういう待遇だあ゛?」
「仕方ないだろ!?壊れたんだから」
眼帯をしてる方の目を押さえ痛みに耐え転がりながら佐久間は言った。
「チッ…まじやる気そげた。もう補習にでも出てろバカ佐久間。私は知らん」
扇風機を自分に向け私は佐久間のベッドにごろんと横になった。
「ちょ、ふて寝すんなよ名前。まじで補習は困るんだって!!」
慌てて機嫌をとろうとする佐久間。確かに、補習にはなってもらいたくはない。なにせ、私は鬼道に頼まれて一応彼氏であるこのバカ佐久間の勉強をみることになったのだ。勿論報酬つきで。その為にもこいつの学力を一定期間だけでも上げなければならない。 今思うとほんとめんどいことしてしまった。
「はぁ。…早く準備して」
「さすが名前!ちょっと待ってろ今から着替える」 手を差し伸べてやるとすぐに調子にのる。そこは待っててくださいだろバカ。
…にしても、 「あんたに恥じらいってないの?」
「ん?」
佐久間は平然と服を脱ぎだし着替え始めた。付き合いたての頃は裸になるのすら顔を真っ赤にして躊躇っていたのに、今じゃ私の前では当然のように脱ぎやがる。じーっと佐久間が羞恥に負ければいいのにと思い見ていたら、肌が二色に分かれていることに気がついた。その境目にツーッと指を這わせた。
「っうひゃ、ぁ…!!」
「!?」
え、ちょ、まじ?今の佐久間さんですか? しまった!という顔をして私を凝視する佐久間。 時既に遅し、私は佐久間にねっとりと絡みつくようにしがみつき惚れた要因であるその端整な顔に自分の顔を近づけた。
「なになに次郎ちゃん、その反応〜、ん?つか、あんた知らない間にこんなくっきり日焼けあとついてたのね」 ニヤニヤと笑みを浮かべて私は厭らしく次郎の首筋から腹筋にかけて撫でた。
「ッ、この間ノースリーブ着てたらこうなったんだよ」 じわりと次郎の肌に汗が浮かぶ。暑いのは嫌いなんだけどね。 なんつーか、
「次郎の日焼けあと見たらムラムラしちゃった」
ペロリ、と次郎の首筋に伝った汗を舐めた。
「なっ、バカ汚いって!やめろっ」
汗を舐められたことに驚き慌てて身を捩ろうとする次郎。 「暴れないでよ。次郎がこんなにムラムラさせるのが悪いんじゃない。」
かぷっ、と私は次郎の耳を食んだ。
「ん、」
「そーんな可愛い反応しちゃってさ。襲うよ?って言ってももう襲ってるようなもんだけど」
くすくすと意地悪く笑うと、キッと睨まれる。
「まじ自重しろよ名前」
頬を染めてるのは暑いからかそれとも照れてるからなのか。とりあえずそんなセリフを言うのは
「無意識に誘わなくなったらね」
溺死するマーキュリー
(とりあえず補習は覚悟しててね?) (は、なんでっ!?ぁ、ん) (だって私達じゃ勉強になんないし。いいじゃん。補習だったら毎日会いに来てあげるから) ((悪くないかも…))
暑さで頭やられました← ビバ!夏休み\(^P^)/ |