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 17

バーボンは、リビングのカーテンと窓を開けた。

ソファに腰掛けるとベルモットから預かった写真と書類を見てテーブルの上に置き、頬杖をつきながら考え込んでいた。
■■の事もそうだが、今まで一緒に”コレクション”として扱われてきた彼女達をそう易々と組織や馬鹿げた考えの資産家達に渡したくはないと思い、策を練っていた。


ふと、書類に記載されていた名前の横にナンバーが振り分けられている事に気付いた。

「■■は、02なのか・・・」

-カタン-

リビングの入り口付近で音がし、バーボンが目線を移すと■■が立っていた。
つい声に出してしまった内容を■■に聞かれてしまったのだ。


『あ、おかえりなさい』
明らかに様子がおかしい■■にバーボンは直ぐに傍に行こうとするが彼女はその場で崩れて座り込んでしまった。


「■■さん、大丈夫ですか?!」
バーボンが座り込んだ■■に触れようとした瞬間、■■はバーボンの腕を掴んだ。

『なんで、・・・なんで私の番号知っているの?』
震えて今にも泣きだしそうになっている彼女の顔を見て、どう答えるべきなのか戸惑っていた。


バーボンの表情を察した■■は、哀し気な目で見つめた。


『・・・私を・・・、新しい主に渡すの?』
「!?、な、何を」
『だって!・・・だって、その番号は前の主が付けた番号よ・・・、その番号を知っているのは前の主と、主と同じ愛好者の一部の人だけだもの!!』
彼女が大きな声を出したのは初めてで、目を逸らし下をうつむいてしまった。

「■■、君を渡したりなんてしない」
『じゃあ、なんで・・・番号を知っているの?』
「それは・・・」

もしも、依頼の事を話せばきっと彼女は不安を抱く。逆に誤魔化しをすれば彼女からの信頼は地へ落ちるだろう。天秤にかけている自分自身に嫌気を感じてしまったバーボンだったが、どうしても言葉に詰まってしまった。


答えてくれないバーボンに■■は震えながら奥歯を噛み締めた。


『・・・ごめんなさい、仕事で疲れているのに大きな声を出してしまって・・・。もう、いいの・・・』
■■は掴んでいたバーボンの腕を放し、立ち上がった。
その時、バーボンは■■の目を見て胸が絞めつけられる様な痛みが走った。
今にも消えてしまいそうな目をしていたのだから・・・。


部屋から出ようとする■■を強く抱きしめた。

「■■・・・今は、どうしても話せないが必ず時期をみて話す」

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