夢小説+長編+ | ナノ

 12

「何・・・しているのですか?」
バーボンは後ろから抱き着かれていることに気付いていた。


彼女は、背後からバーボンの腰あたりに自分の腕を回しギュッと抱きしめると風呂上りのせいか彼女の熱が服の上からでも伝わってきた。


「■■さん?」
返事もなく、ただただバーボンを抱きしめている彼女の様子がおかしいと思い振り返ろうと彼女の手をとった。


ゆっくりと体勢を変えた瞬間、バーボンの目に飛び込んできたのは少し濡れた髪とベビードール姿で瞳を○ませて立っていた彼女だった。



■■はバーボンに抱きつくと、上着の裾に指を滑り込ませた。腹直筋から背中にかけて指を滑らしながら更に体を密着すると■■は片足をバーボンの足の間に押し当てる様に動いた。

『・・・バーボン』
彼女の甘い声と柔らかい指がバーボンの脳を侵食する。

背中を何度も指で擦り撫でる彼女の指が気持ちよく、つい声が漏れてしまった。


「っ!」
彼女の肩に手をかけると彼女を引き剥がした。



■■は何があったのか分からず呆然としているとバーボンは怒った顔をし睨みつけた。


「やめなさい!僕はこんなことをして貰うために貴女をココに置いたわけじゃない!!」
怒鳴るバーボンの声がリビングに響き渡った。



『・・・だ、だって・・・私に出来る事はこれくらいしか』
「だからと言って、これ以上自分自身を傷つける様な真似をしないでください!」
■■は次第に大粒の涙を浮かべると何故バーボンが受け入れてくれないのか理解できないでいた。



『・・・今まで・・・殿方はこうすると喜ぶと主様たちが言ってた・・・。バーボンは嬉しくないの?』
大粒の涙を流さない様に必死に堪える■■は、自分のしている行為が初めて受け入れて貰えないことに戸惑いを感じている。



バーボンは彼女が今までどんな扱いをされてきたか、その行為が当たり前なのだということくらい分かっていたはずなのに、つい怒鳴ってしまい後悔していた。


「・・・ごめん、怒鳴ったりして。でもね、もうこういう行為をしちゃダメだよ?」
彼女は自分自身が拒絶されてしまったと感じて不安がっているのを見て、抱き寄せると腕の中に優しく包み込んで耳元で囁いた。



「こういう行為は、好きな人にしなさい」
『・・・好きな・・・人に?』
「そう、本当に好きな人にしてあげること。わかりましたか?」
■■は、腕の中で小さく頷いた。

prev / next



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -