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 04

大きな爆発音がした後、建物が揺れ続けて数回の爆発音が響き渡った。



「まったく・・・やってくれますね」
バーボンは、組織の連中が証拠隠滅の為に念のため用意していた爆弾を起爆させたんだと直感した。


「さ、急いで逃げますよお嬢さん」
バーボンは抱きかかえていた彼女をギュッと力強く抱きしめて書斎に向かった。


書斎に向かう途中に煙が漂い始めた。


書斎に着くと彼女を降ろし、隠し扉の向こう側に行こうとした。
「ここもすぐに火の海にのまれるだろう、急いで出ましょう」



しかし、彼女は立ち止まって動こうとしなかった。



『私の事は放っておいて』
頑として動こうとしない彼女にバーボンは彼女の手首を握り怒った。



「自由になりたがっていたのに何故そんなにここに残って死にたがっているのか俺には分からない。初めて貴女を見た時、彼らのコレクションの様に見えていましたよ。・・・黙って見過ごせるほど俺は出来た人間じゃないんですよ」
バーボンは彼女の手首を強く引き、隠し扉の奥へと押し込んだ。



少し狭い通路だったが、バーボンは彼女の手を引きながら急いで脱出をした。




さっき彼女が説明された通り川にでた。
古城から少し離れた駐車場に車を停めていたお陰で車は無事だった。


急いで彼女を助手席に乗せ、その場を走り去っていった。







山道を走らせること数十分

ずっと黙ったままの彼女は震えていた。




「僕の事が怖いですか?」
横目で彼女を見るが無言のままだった。


数分後、彼女がバーボンの方を向いた。

『・・・あそこから出してくれて、ありがとうございます』
小さな声で彼女がお礼を伝えるとバーボンは自然と笑みを零していた。



「よかった」
そう言い、更に車を加速させた。



山道で何度もシフトチェンジをしているバーボンの手を彼女がジッと見つめていた。


「・・・どうかしましたか?」
『不思議・・・どうやって動いているんだろ?』
シフトチェンジしている様を彼女は興味津々で見ていた。



古城からかなり離れることが出来たバーボンは、小さな休憩所に車を停めた。


「喉が渇かないかい?飲み物を買ってきてあげるよ」
バーボンはエンジンを止め、シートベルトを外した。

しかし、彼女は首を傾げた。


「あー、・・・それか自分で選びますか?」
バーボンは助手席を開けるが、彼女はシートベルトの外し方を知らないらしく外してあげた。

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