DEGIDOG HEADLOCK omake
「……プロジェクトDにエンペラーか……、ったく……変な奴らだったな……」
繁に守られるように、和巳は独りで暮らしているアパートに戻って来ていた。
心配気な繁に肩の具合を執拗に尋ねられて、上半身に纏う衣服をさっさと脱ぎ去り
「なんともないだろ?」
と仁王立ちとなり。
赤くなってうろたえるだろうと、繁の挙動をいつもどおりに読んでいた、和巳の予想は外れた。
繁は眉根を引き上げて、静かに和巳を見つめながら、そっと背後に回り、剥き出しの肩に優しく触れた。
「……ちょっとごめんね……和巳」
小さく呟いて、訝しむ和巳の左腕をある方向に軽く持ち上げた。
「―――――つッ……」
微かに和巳のうめきが響いて、繁は苦笑しながらソッと腕を戻した。
「……うん……大丈夫だけど湿布くらいは貼った方がいいな」
背後で掛けられる声に、和巳は大した事はないと返事をしようとした。
―――――そして肩に触れる馴染みのある温かさ
和巳の喉から出ようとした声は、胸をすくように息と共に飲み込まれ。
吐き出された息には。
和巳が繁の前でしか出さない安堵と言う甘い音が含まれていた。
「――――……待たせたな……」
京一の帰宅に足取りも軽く。
玄関に出向いた涼介は、京一が抱えるスチロール性の箱を見て興味深げに目を輝かせていた。
「……凄い……大きいな。腹がすいてたんだ、早く食べたい」
にこにこと秀麗な顔を微笑ませて、無邪気に京一に語る涼介を片眉を引き上げて、しょうがないなと言うように苦笑する。
「……な……京一早く食べよう」
可愛すぎる……愛しすぎる……
京一はあの夜以来、充分にゆっくりと逢瀬を持てなかった故に。
今夜は……と心も体も熱くたぎる。
「――――……涼介」
京一の言葉に見上げる黒い瞳。京一が気まずそうながら、僅かに赤い顔を近付けた。
「おい――――キスぐらいしろ……」
は……と開いた涼介の目と唇に。京一が眼を細める。
フワリと空気が動くと。突然涼介が身を翻して。
京一が声掛けるのも聞かずに、照れた涼介は一目散に小部屋に逃げた。
2008、3/21 end 京涼も土坂もラブが最高です!
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