半ケツバトル おまけ | ナノ
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「半ケツバトル」過去最高アクセス数&15000HIT超えお礼

*オマケイラストト&オマケSS*



半ケツバトルで初登場ですか。白衣マニアにしてしまい、ファンの方すいません。
しかし何故か普段が堅いんで嵌り役でした。個人的に「股間が急患」が好きです。



土坂ズ゙、初描きです!原作見ながら頑張りました。金髪が受けは中々と言うか、イイカプですよね。
このイラストは土坂ズの愛の御大、みふゆ様に捧げますm(_ _)m


*オマケSS*

 深夜の明智平に佇む一人の背の高い男。

 煙草を片手に吹き付ける風に厳しい双眸を細めて、流れ消え行く紫煙を見つめていた。

 そして背後から近寄る二つの背の高い影――――体格の良い二人は佇む男の側に寄り、三人が並んだ。

「……はいよ、京一」

 短髪の精悍な男が缶コーヒーを渡す。

「……悪いな、智幸」

 佇んでいた男は差し出されたコーヒーを受け取り、プルトップを開けて一口飲む。そして横にいた髪の長い男が、髪を掻き上げ話し出す。

「――――…で、大丈夫なのかよ?須藤」

 苦笑混じりの言葉にギロリと視線を向けるが、直ぐに視線を落とした。

「まあ――――…何とかな」

「……ちょっとなあ……ソコは同情するな……」

 溜め息は三人から漏れ

「秋山にしちゃ珍しい言葉だな……」

 再びコーヒーを飲んだ京一が、自嘲気味に言葉を何とか出し。

「だってよ、アソコ噛まれるなんざ、堪らんぜ?」

 股間を抑えて痛そうな顔で話す渉の言葉に、京一の狼狽が濃くなる。

「……オエッと来てガブリたあな……苦労するな京一……」

 珍しくも真摯な智幸の言葉にも、更に京一の狼狽が深くなる。

「……まあ大したキズ゙じゃねぇがな……」

 自身を慰めるような京一の言葉は渇いて虚しい。

「……んでノブと大輝を呼び出して、(イタリアの高級車の名前)講座とはなあ」

「……講座と言うか、講師二人に生徒一人だな……」

そしてまた溜め息を吐く――――……

「……あのよ、できる事があったら言えよ、須藤……」

 ポンと肩に手を置いての、渉の励ましに。

「……京一も愛されてんな……」

 背中を擦るように掌を添えた、智幸の慰めに。
 京一は長い両腕を上げて、二人の肩に置いた。

「――――……ああ……すまんな……」

 三人に何処か男としての共通の何かが流れた。


 山は静かに暗闇に閉ざされ、風に吹かれる三人の男達を見守るように佇む。
 そして微かに、京一の哀愁漂う背中の向こうからどこからともなく聞こえてきたロータリー音が。
 尋常でないスピードで近付くのがわかる。
 その音の主――――白く輝くFC3Sは素晴らしいラインで、いろは坂を駆け上がる。

 後ろからは二人の人間が乗った、黄色のEK9が必死に続いて、FCからは狂喜の叫びが迸しった。

「――――会得したぞおおお―――ッ! 京一――――ッ!」

 山々に木霊する涼介の愛の叫びが。
 駐車場にいる男達の背筋に、冷たいモノを走らせる。

「――――…聞こえたよなあ…」

 渉の呆れた呟きに

「……ああ……会得したらしいな……」

 智幸の気の毒そうな語りに

「――――……」

 京一の無言が何より物語る。

 ギャギャギャアアアッと、ヘッドライトの光りを周囲に巻き散らして、幻のようにFC3Sは駐車場に停まった。

「――――…京一ッ! 出来るぞッ! コツがわかったぞッ!」

 FCから駆けおりて走り来る、赤城の白い彗星。
 後ろからはトンデモないスピードで、ギリギリの走りをしたEK9の二人がグッタリと下りて来ていた。

 涼介は複雑な顔で佇む三人の目を受けながら、嬉しそうに京一に語った。

「……これで俺も延彦や大輝と並んだな」

 何処まで負けず嫌いですか……彗星さん……

 智幸が堪えきれずに笑いだし、渉は良かったなあ〜と呑気に話す。

 京一は――――目の前で嬉しそうに笑う存在に複雑な顔付きで黙している。

「どうした? 京一……」

 黙ったまま見つめる京一に、不思議そうに涼介が口を開いた。

「――――……殺す気か……」

 ポツリと出た言葉に涼介が、は? となって。

「……お前は……本当に……」

 再びの京一の言葉にニヤニヤとする智幸も、ニマニマしている渉も今の京一の頭には存在していなくて。

 目の前の恋人に京一が小さく呟いた。

――――……可愛いすぎなんだよ……

「……へ〜、須藤でもそんな甘い事言うんだなあ〜」

 渉の雰囲気ブチ壊し的な発言に。

「――――……京一は案外ロマンチストなんだよ」

 智幸のシニカルな笑いを含んだ言葉も。
 痛いとこ突かれたと、赤い顔で口許を抑える京一を涼介はほんのり赤くなりながらも、嬉しそうに見つめている。

 いつの間にか側にきた延彦と大輝も、それぞれの相手の隣で微笑んでいた。

 それは皆が同じ表情をしていている。それはちょっと恥ずかしそうであり、とても嬉しそうなで幸せそうな顔であった。



「後はかけるのがあるなあ。おにいちゃん!」

 からかうように声を上げた渉の言葉に涼介の目が見開き、子供のようにキラキラした。

 京一はバッと赤くなって渉を睨み、目を剥いた延彦と大輝も同じく赤くなった。

「あ〜、あれは簡単だぜ〜おにいちゃん」

 渉の呑気な声に続く智幸のセクシーな声。

「……まあ……目を瞑ってりゃあな、いいからな……」

 智幸の楽しそうな語りに

「そうすよね、アレ目に入んないようにしないといけないすね」

 大輝の何の気も無い言葉の後に

「そうだよ、後々も大変なんだからな!」

延彦のすねた物言いに、涼介の目がまた見開かれていた。
 それに気付いた京一が慌てて

「とッとりあえずッ! 俺んち戻るぞッ!」

と叫んだ。

 後に皆で京一宅にて飲み食いしながら、涼介の他二カップルに対する質問攻めにて、家に戻ろうと発言した自分は更に墓穴を掘ったと後悔しながらも。
 楽しそうな一団を見ながら、キッチンにて煙草を吹かしていた。

 そして、一団の中で笑っている涼介を見つめて、苦笑しながら愛しげに――――その目を細めた。




松本
土坂ズ

end 2007.11.11

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