半ケツバトル [2] | ナノ
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半ケツバトル [2]

 訝しむROM他、全員。

 涼介は身を乗り出し、言葉を発した。

「二宮大輝君、ああ、そのままでいい。それは舘智幸の勃起したペニスを喉の奥まで入れているのか?」

 何を聞くやら、彗星さん――――……

「――――……ああ話せないか、仕方がない。イエスなら瞬き一回、ノーなら二回だ」

 智幸の顔が面白そうな色になる。
 大輝の口に自身をスライドさせながら、笑って髪を撫でた。

「答えてやんな、大輝……」

 大輝は潤んだ垂れ目を智幸に向けてから、カメラに瞬きを一回した。

「――――……イエスか! 凄いな、そんなに奥まで入れられてオエっと、いや医者らしく言うが、嘔吐を誘発させられないか?」

 矢継ぎばやの質問に皆が呆れる。
 大輝も口には、勿論逞しいモノが嵌っているが困り顔だ。

「やはり――――慣れか?」

 兄はモニター画面に身を乗り出し、いたく真摯な有様に啓介も頭を抱える。
 大輝が質問を受けて、カメラに向かって瞬きを一回した。

「そうか、俺は未だに慣れなくて、オエっとなるんだ……まあ、こう見ると秋山も舘智幸も中々イイ持ち物だが、京一のは本当に凄いから大変なんだ……」

 ポッと赤い顔で嬉しそうにノロケる、公道のカリスマである。

「……大輝は喉の奥も感じるんだぜ……」

 再び栃木地区から、智幸が大輝の口にイヤらしく抽挿しながら、セクシーに囁いた。
 大輝も見ればジュルジュルと音を立てながら頬がへこんだり、顎のラインが動いたり、存分に筋張ったモノを味わっているのがわかる。

 智幸の言葉にいっそう身を乗り出す赤城の白い彗星。

「――――……そうなのか? それは凄いな! それも訓練の賜か?」

 大輝の瞬きは一回だ。

「俺も是非その技術を会得したいが、京一もそれを好きか……」

 涼介の語りに智幸は妖しく答える。

「ふッ――――……京一だってコレは結構……」

「モガガ―――ッ! モガ―――ッ!」←智幸、ふざけんなああッ!

 智幸の語りに重なる、京一の渾身の怒鳴り声。

 赤城地区では、危険を敏感に察知した啓介と史浩が、涼介の耳を素晴らしいコンビネーションで塞いでいた。

「? ……何をやっている、お前達」

 史浩も啓介も青い顔で笑う。

 栃木地区は智幸が

「なあ……大輝」

と大輝の髪を撫でていた。

 大輝も瞬きを一回しようとした瞬間、

「モガガ―――ッ! モガ―――ッ!」←大輝―――ッ! 勘弁しろおおおおおッ!

 再び栃木地区から渾身の怒鳴り声が響く。
 赤城地区では涼介の耳を史浩が、目を啓介が各々青い顔で塞いでいた。

「あ〜、(イタリアの高級車の名前)なら延彦も上手いぜ〜」

 間の抜けた声は埼玉地区からである。

「秋山、どう上手いんだ?」

 泣きと喘ぎをひっきり無しにあげる延彦に激しく叩き込みながら、渉は野生的な顔に一抹の爽やかさを覗かせて笑顔をカメラに向けた。

「あれはオエッときそうな時、ベロや喉チン×がビクビクするのがイイんだな〜」

 律動しながらの渉の明るい語りに、涼介の目が見開く。

「そうか! 成程! それは凄いッ! 苦しくないのか?」

「……大輝もそれに慣れてから、喉が悦くなったんだよな……」

 智幸の話しに奉仕しながらも、まるで愛撫をされてるかのようなトロンとした目で奉仕を続ける大輝の髪を、愛しげに撫でる智幸に涼介のマジな質問が飛ぶ。

「大輝君もそれができるのか?」

 瞬きは一回である。

 ワナワナと涼介の拳が握られて悔しそうに唇を噛む姿に、啓介と史浩が青くなっていく。

「おお――……×××気持ちいいぜ、ノブ、イイ感じ。 んッとおッ、ちょっとイカせて貰うわ」

 渉の呑気な声がしたと思うと、光ファイバーの高速回線でも追い付かない激しいピストン運動を開始した。

「ヒ―ィ―ッ―ヤ……あ――ッ―……ヤ――ッ」

 哀れ延彦の掠れた悲鳴さえ、途切れ途切れである。

「凄いなッ! さすが秋山、ピントのぶれたケツ二つしか見えないッ!」

 涼介の感嘆の溜め息に、どよめくROM達。

 さすがの元ドッカンターボ゙使いは延彦のケツを右に左にえぐり込み、前立線をあらゆる角度から堀削機のように掘りまくった。
 悲鳴を上げる延彦の揺れる性器からは、何度も何度も白濁が飛び散る。

「京一の腰使いも凄いが、秋山も中々だ!」

 どさくさに紛れて、ノロけるのも忘れてはいない赤城の白い彗星である。

「ヒィッ―――――…………」

 ガクガクと揺さぶられて、瀕死でもがいた手がバタリと落ちて延彦は気絶した。
 勢い引き抜かれた某を扱き上げたかと思うと、延彦の顔面に心置きなく白濁をブチ撒けた。
 荒い息を吐いて、立てた親指をグッとカメラに付き出す、渉の歯は白く輝いて。

――――鬼畜ながら、なんて爽やかな……新しい攻め方だ……





 すげええええッと叫ぶROM達のやんやの歓声を受けて、渉は陽気に手を振る。

 煌めく汗、なびく髪も爽やかに。
 股間からも大きなものが、誇らしげに煌めく白濁を垂らしている。
 まるで映画「インディペンデンスディ」の地球を守ったヒーローの如く、一仕事ヤリ終えた男の顔がそこにあった―――

 しかし、その姿―――埼玉地区を見つめる涼介の目が、驚愕に見開かれていて。

「秋山ッ! 質問があるッ!」

 涼介の剣幕に一斉に皆が我に帰る。ちなみに栃木では猿ぐつわをされ、縛られた須藤京一が虚しいあがきを繰り返していた。

「なんだよ〜、おにいちゃん」

 顔にべったりの延彦の尻に、更に押し入れながら応える。延彦はある意味虫の息である。

「顔にかけるのはどんな利点、いや効果があるんだッ?」

 何を聞くやら彗星さん……

 啓介と史浩はまたまた頭を抱える。

「……利点とかじゃねぇよな……俺に征服されるみたいでイイんだよなあ……大輝」

 瞬きは一回であるが涼介の真剣な声が飛ぶ。

「大輝(呼び捨てになってます)もできるのかッ!」

 瞬きは一回、智幸はニヤリと笑った。

「……できるつうか……俺も大輝も好きだからなあ……」

「俺もノブも好きだぜ〜」

 栃木と埼玉からの音声に、涼介の眉間に厳しい皺が刻まれる。

「……俺にかけられて……うっとりしてるのが、可愛いんだよ……」



 智幸は大輝の髪を優しく撫でとかして、見上げる大輝の目も幸せそうに潤んで。
 その様子を凝視していた、涼介の瞳に蒼白い焔が立ち昇った。



「――――アニキッ! どこ行くんだああッ!」

 真剣な顔で自室から廊下、階段へと突然駆け出した涼介を、血相を変えた啓介が追いかける。

 史浩は腹を抑えて倒れてしまっていた。

 全裸に白衣をなびかせて高橋邸の玄関から駐車場へ、涼介は尋常ならざる素早さで、FCに乗り込み

「――――アニキィ――ッ、せめてパンツ穿いてくれぇ〜」

 半泣きでパンツを手に追いすがる啓介を振りきった。

 悩ましい姿と、凄まじい気迫でFCを運転する涼介の現状は当然ROM達の知るところとなり。

「――――ッ! 松本さんッ!」

 ずっと殺気立ちながらF5を連打し続けていた松本は、ケンタをバールのような物で殴った挙げ句にシルビアを強奪した。


 栃木ROM達は京一のケツにより壊滅状態、東堂塾ではあおられた塾長と酒井が、互いに気まずいながらも顔を赤らめ、埼玉地区では坂本が呆れて鼻クソをほじくり、土坂コンビは金髪の肩にいかつい男が手を置いて

「――――……まあ、お前にあんな事しないからさ……」

 優しく囁いて、金髪の男は睨みつけながら赤い顔で

「……バカヤロ……」

と小さく呟いた。

「お前が嫌がる事はしないよ……」

イカツイ男の言葉に金髪の男がそっぽを向いて、また赤い顔でボソリと呟いた。

「――――……別に嫌じゃ……ねぇよ……」

 そして埼玉地区から、イカツイ男の驚愕と歓喜の雄叫びが轟いた。



 ちなみに秋名地区では既に飽きてしまって、皆でトランプを楽しそうにしていた。

――――赤城の白い彗星を捕まえろ―――ッ! (真の意味:全裸に白衣の美人を捕まえろ)

 白衣に魅せられた連中が、雄叫びを上げながら車を発進させる。

 怒濤の走りは何処の峠でも、個人の持つタイムレコードを更新しそうな勢いである。

 凄まじいスキール音と車と一体化したような野獣の咆吼が、群れなして各方面から群馬県高崎方面へ向かう。

 鬼々迫る勢いで松本が運転するケンタのシルビアが、夜の町を駆け抜ける白く輝くFC3Sを見つけた。

「――――せッ先生ッ! 高橋先生―――ッ! 急患ですうううッ! 俺の股間が急患ですううう―――ッ! 診察してくださああああッいいいィイ―――ッ!」

 言葉は丁寧ながらも叫びは野獣である。

 しかし、あの赤城の白い彗星には生半可では追い付けない。

 頭を使った連中は、携帯で連絡を取りながら、先回りを敢行した。

 真剣な顔でFCを運転する、涼介の目に飛込んだ光景―――――前方の道が数台の走り屋車両により塞がれていた。

「――――チィ―――ッ!」

 ブレーキをダンッ! と踏み付け、同時にステアを切り、サイドブレーキを一瞬引く。
 ギャアシャアアアッと言う音と共に、信じられないくらい鮮やかなスピンターンで回避した。

――――その光景はまるで―――――――……ふふ 患者様……お大事に――……と身を翻されたようで。

 翻した時にあの悩ましい太股とヒップが、チラリと見えたようで。
 野獣達は暫し魂を抜かれたように、遠ざかるFCを呆然と見ていた。


―――逞しい体は後ろ手に縛られ、厚みのある胸筋は自己主張するように反られ荒い息は割れた腹筋を波立たせて、更に禁欲的な男のエロスを漂わせる。

「――――清次ッ! ほどけえええッ!」

 自身の恋人である涼介の行動を、PCから洩れ聞こえる音声から察知した京一は、網に掛ったシャチのように暴れ、吠えた。

 止めようとしたカイは、京一の頭突きにより失神。
 鬼の形相で睨みつける京一に、清次はどうしていいかわからない。

「京一、わかった……すまん……」

 しょんぼりと謝る清次が京一に近寄った瞬間、響き渡るインターフォン。

「はいはい、ちょっと待ってくださ……」

 清次が緊張感の欠片もなく、玄関扉を開けた途端に響き渡る複数のスキール音にブレーキ音。

 そして眼前には、腕組して仁王立ちの赤城の白い彗星。目には青白い焔がゆらゆらと。しかし――――全裸に白衣だ。

「――――京一ッ!」

 清次がたじろぐ程の絶叫に、部屋内部からドタバタガターンと音がして、両腕を縛られ、ワークパンツはずらされた何ともマッチョ好きには堪らない姿で、須藤京一は現れた。

「―――涼介ッ! 無事か―――ッ?」

 キツイ目でいた涼介の瞳に潤みが戻る。
 しかし、涼介の背後には決死の思いの松本他、白衣マニアが目の色変えて走ってきていた。

 バタバタバタと言う複数の足音と、怒鳴り合い、懇願する声。涼介が、え? と振り返るも群れは狂気の沙汰で襲い来る。

「京一ッ!」

 愛しい男の前でいきなり乙女になった涼介は、先程までの素早さは何処へやら、儚げな風情で京一に手を伸ばす。
 よろめきながらも、玄関へ走り出した京一が清次に叫ぶ。

「――――早くほどけえええッ! 清次ッ!」

 我に帰った清次が慌てて京一の縛りを解いた。
 玄関扉を肩から体ごとぶつかって、跳ね開ける。
 野獣の群れは扉に阻まれた。
 同時に涼介を掻き抱き、玄関内に引っ張り込み鍵をロックした。





 当の涼介はウットリ顔である。

「――――ああ、京一……俺の男……」

 しっかりと抱きとめられて呟く涼介の頭を撫でながら、
怪我は無いか? と京一は優しく囁く。

「胸が痛い……お前に会えた嬉しさで……」

「―――……馬鹿野郎……心配かけやがって……」

 いちゃいちゃとしてる直ぐ後ろにはどうして良いかわからない清次、部屋には気絶したカイ、玄関外には諦めきれない野獣達がしょんぼりと頭を垂れる。

 リビングに二人いちゃつきながらも入り、涼介は京一の腕から離れない。
 キスをねだっては甘く微笑む。

「会えたのは嬉しいが――――……無理するな」

 京一のキスを受けながら、陶酔したような表情の涼介が我に帰った。

「京一ッ! 俺の事を愛してないのかッ?」

「――――……は?」

 突然の涼介の言葉に、京一の眉根が疑問にしかめられる。

「……そりゃあ、俺はまだ未熟だ、喉奥まで入れるのは大変だ、しかし訓練次第だッ! 訓練次第で何れは延彦や大輝みたいに―――……」

 熱弁を振るう涼介を京一は呆気に取られて見つめる。

 更に弁舌は続く。

「――――顔にかけるのは、俺は京一に求められた事は無いッ! 延彦や大輝はしているのに――――……」

 わなわなと震えながら、語る涼介が跪いた。

「……俺も可愛いと言われたいッ! さあ、愛してるならかけてみろ京一ッ!」

 キュッと目をつむり唇を噛んで、京一に顔を向ける全裸に白衣の我が恋人を見る。





 言葉が出ない。

「――――……」

 玄関では同じく、言葉を無くした清次が凍っていた。

――――……涼介はマジなんだよな……

 気を取り直して涼介を見つめる。
 次第に腹からむず痒いような温かいものがこみ上げてきた。

 腕組した片方の手を口に京一は爆笑しそうな自分を戒めたが、微妙に肩が揺れている。
 涼介は瞼はキュッと伏せたまま、キチンと正座して顔を京一に向けていた。

「――――……」

 溜め息を吐いた京一が、涼介の額に静かにキスをした。
 大きな掌は涼介の頭をソッと優しく一撫でして、え? と瞼を開いた涼介の目には、何だか顔が赤い京一が気まずそうに映る。

「……まあ、そのうちな……」

 涼介が呆けた顔で見つめるのを、更に気まずそうに、

「……お前程可愛い奴はいねぇよ――――……愛してねぇわけねぇだろ……?」

 途端にパアッと涼介の顔が綻び、京一の首に縋る。

「……京一……京一ッ」

 嬉しそうに纏わりつく、このちょっと変な恋人に。
 京一は仕方ないなと言う笑みをしながら、キスをした。

 その光景はネット上、限定なる者達が、微笑みながら見つめる。

 埼玉では渉が

「須藤、かけちゃえばイイのになあ、俺ならいくらでもかけちゃうぜ?」

とカラカラと笑い。←延彦は失神

 栃木では智幸と大輝が

「ふッ…………京一も苦労するな……ッたく、変な奴らだぜ……」←己れは棚あげ

 二人で笑いあっていた。


 半ケツバトルの結果ですか?
 まあ、其々の愛の勝利と言うことにしておいてくださいませm(_ _)m




:半ケツ集
赤城
いろは
埼玉


雷涼介
涼介を守る京一
一仕事終えた渉
フェラーリトモ大
さあかけてみろ涼介


end 2007.11.08

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テーマ「人外ファンタジー」
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