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ポケ○ンの中で一番可愛いのってルージュラだと思うの
女子高生調伏師の日常 3
どたどたと騒がしい音を立てて台所へ向かう私と一馬。
さっさと祓ってゲームしよ。
もうちょっとでポケ○ン全クリしそうだし。
上原と藤代と誰が一番早く全クリできるか競争してるから負けるわけにはいかないのよ!
と、かっこよく言ってはみるが、私たちがプレイしているのは最新作ではなく金銀版である。
そして私がポケ○ンしたさにスピードを上げた時、足音が一つ分減った。
くるりと後ろを振り返ると一馬が急に立ち止まっている。
「っ!梨子!霊が動いた!風呂場の方に向かってる!」
「えぇ!?」
きゅっと音を鳴らせて急ブレーキ。
一馬は、霊の動く方向を辿っているのか目を瞑っている。
「風呂場……いや、階段!二階だ!」
「っもう……!何でそんなに動き回るのよ!」
と、また私が二階へ通じる階段へ向かおうとすると、一馬に腕を捕まれた。
何?と問うと、「頭使えよ」と呆れたように言われる。
「浮遊霊はちょろちょろ動き回るもんだ。じっとしてるのなんか無理。」
「だから移動される前に早く二階に…」
「バカ、んなことしなくても…」
「前後で挟み撃ちにすりゃいいだろ」
「!」
なるほど……。
素直にそう思った。
動いてしまって捕まらないなら前と後ろで挟み撃ちにすれば、霊は逃げられない。
「一馬あったまいー」
「お前がバカなだけだ」
思わず呟くと、一馬はとんでもないバカを見るような目で見て呆れたように言う。
ほ、褒めたのに逆に貶された!
くそう、ちょっと前まではヘタレの泣き虫一馬だったくせに!
「おい、さっさと行くぞ。梨子はこのまま前から行ってくれ、オレは後ろから回るから」
「りょーかい」
ずっと握っていたせいで少しだけ皺になった札を伸ばす。
よし、さっさと祓ってポケ○ンよ!ポケ○ン!
「しくじるんじゃねーぞ!」
後方から聞こえる一馬の声。
それに、「しくじっても一馬が何とかしてくれるでしょ!」と、何とも人任せな言葉を返して私も走り出した。
もう厨からは良い匂いが漂ってきている。
きっと渋沢さんが夜ご飯を作ってくれているのだろう。
今日のご飯は何かな、なんてお約束なことを考えながら、走り出した。
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