2010/12/06 01:58


「貴様にとっての不幸とはなんだ」
そう無意味に問うたのは何故だったろう。
多分ほんの暇つぶしだ。
私の正面に座る刑部は、突然の問いに目を丸め、そして、はてと考え、しばらくの沈黙を作った。
考えがまとまると同時に、私の双眼を二つの瞳で射ぬいた。
「全ての者が幸せになることが、われの不幸よ」
その言葉に目を閉じる。かすかな鈍痛が響く。いつからこうなってしまったのかは、私にもわからなかった。
「それでは貴様の幸とは皆が不幸になることか」
睨みながら問うてみた。そうしたところで、刑部に僅かの変化さえ起こることはなかったが。
ただ、やはり飄々と顎を撫で考える。
珍しく答えに窮したようで、いや、と否定だけを述べ、顔を堅くした。
次は私が目を丸くする番だった。
刑部は全く困ったという顔をして、おずおずと顔を上げた。
ひどく弱い(と感じた)声音で、恥ずように話し始める。
「ぬしの隣でただ穏やかに死ねれば、それがわれの幸せよ」
そういって、ごまかすように俯き笑う刑部に、私は酷く懐中を乱される。
「…私より先に逝こうというのか」
息が荒くなる。
出た言葉では、私の乱れを何一つ伝えることが出来なかった。
しかし刑部は何でもないように続けた。
「いや、ぬしが死んでいても構わぬ。ただ、ぬしの体温を感じながら死ねればそれで、温かきも冷たきも問わぬ」
無理よなぁ、無理よなぁ、笑う刑部を抱き占めた。
言葉になど成るはずがない。
ただただ、自分の腕の中に在るものは大谷吉継なのだと噛み締めた。



ありがとうございましたー
大まかな設定として
・大谷は病に蝕まれる以前は普通にいい人
・三成は以前の大谷とは相思相愛
大谷は二面性を持っているというのを新たな芯にしたいと思ってます
三成は相変わらずです
そんなこんなで初BLでした
アンケートで一番求められているようなので
気まぐれ更新ですよっと
一般>穏やかに愛せたら

大谷>穏やかに死ねたら
それが心の安らぎかなと思います
どう足掻いても大谷は(ゲーム設定じゃ)幸せにさせられそうにない
ただそれを開放することって死ぬしかないと思うけど
死んだら痛みが止むだけで、幸せとかはまた違う話
苦しんでおかしくなって空虚を抱いて死を迎え絶望して、全てが終わる
そんな最近の大谷像
‥話しがずれました
閑休話題、
ということで気を取り直して
いきなりハグしました
もうラブラブ過ぎでしょう
大谷が三成愛し過ぎてて怖い
個人的には大谷黒田3も恋愛感情とはあまり考えてないので、
まことしやかに恋愛感情で考えたこの話が実質初BL
愛し合ってる振りはいいけどー所詮僕等はーなんだっけ?
うん、とにかく三刑好きさんに捧げます
これが私の最大限な三刑です
企画が実に不安‥!


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