可愛い後輩のあり方
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「鈴先輩がマネージャーっすか!?」
私の目の前に髪型が特徴的な青年……昔より随分背が高くなってる気がするけど、紛れもなく、テニス部の切原赤也くんが立っている。
「うん。よろしくね赤也くん」
私がそう言うと、赤也くんは目をキラキラさせた。かと思ったらうわああ、と叫びながら頭を抱えて。
「そうと分かってれば課題だって早く終わらせて部活来たのに!!誰も教えてくれなかったッス!!」
「……私は知ってるのかと思ってたよ」
今日の午前中は入学式だった。
お昼には学校が終わったのだが、私たちは午後から部活があるわけで、部室に向かう途中、ラケットバックを持った赤也くんと鉢合わせた。
で、私と一緒にいた仁王くんが私がマネージャーになったことを伝えたんだけど、赤也くんはそのことを知らなかったみたい。
「知らなかったッスよ〜!」
泣きそうになりながら抱きついてくる赤也くん。
「ぎゃあ!」
力強っ!!痛いんだけど!?
「やめんしゃい。痛がっとるぜよ」
こっちが泣きそうになってると、見かねて隣にいた仁王くんが引き剥がしてくれた。
赤也くんは中学の時から私になついてくれてる。可愛いんだけど、可愛いんだけどね。抱きつく時とか力強すぎて困るんだよね!
「あっ!鈴先輩すみません!」
「う、うん。大丈夫大丈夫!」
「赤也がセクハラしとったって真田に言っちゃろうかのぅ」
「げ!それだけはマジ勘弁ッス。ただでさえ春休み来なかったことで怒られるってのに……」
「それはお前さんが悪いナリ」
それは私もそう思う。
赤也くんはどれくらい怒られるのかとか、そんな事を話しながら部室に向かうと、ちょうど部室の前に幸村くんと真田くんと柳くんの立海三強がいた。その後ろから丸井くんとジャッカルくんが部室に向かってるのが見える。
幸村くんは赤也くんに気がつくと不自然なくらい爽やかな笑みを浮かべて
「やあ、赤也じゃないか」
そう言った瞬間私と仁王くんは同じ事を考えたと思う。
「ゆ、幸村ぶちょ……」
幸村くんに声を掛けられてビクリ、と肩を振るわせた赤也くん。
「植原……離れるぜよ」
「賛成」
仁王くんに言われて、その場を離れて丸井くん達と合流した。
ごめん赤也くん、そんな助けて欲しそうな目で見ないで……私たちだって三強超怖い。
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