平和が一番
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「ただいまー、ってなにこれ」
「お菓子だぜぃ」


教室に戻ると机の上がお菓子パーティー状態だった。


「それは分かるけど……丸井くんの手作り?」


クッキーやマフィンなどの焼き菓子が無造作に箱に詰められているのでプレゼントではないはず。


「そうだぜ。天才的だろぃ?」
「天才的だよ!」


やっぱり手作りだって。丸井くんの手作りお菓子は何回か食べさせてもらった事あるけど本当にめちゃくちゃ美味しいから!

素直に感激していると、私の机に座っているジャッカルくんは苦笑いしていた。

ああ、ジャッカルくんいっつもお菓子買わされてるもんね。作れるなら作ってこいって思うよね。



今日は丸井くんジャッカルくん仁王くんの三人でここでご飯を食べたらしい。いつもはレギュラー陣で屋上に行っているけど、今日はそれぞれ委員会などで集まれなかったみたい。

もちろん、私は伊織と食べるし紫外線ダメだから屋上には行ってないよ。


ちなみに仁王くんは今は机に突っ伏している。寝てはいないと思うけど。


「鈴も食後のデザート食うか?」
「食べるっ!」
「おう、好きなの取っていいぜぃ。てことでジャッカル邪魔」
「ったく分かってるよ。邪魔者は教室戻るわ。植原机ありがとな」
「いえいえ、また放課後ね〜」


邪魔と言われたジャッカルくんは苦笑いしながら自分のクラスに帰っていった。空いた自分の椅子に座って、たくさんあるお菓子を改めて見る。

うわ、全部美味しそう。


「じゃあこれ、頂きます!でももう昼休み終わっちゃうね」
「次移動だし、遅れていけばいいんじゃね。最悪サボる」
「俺はサボるぜよ」


突っ伏していた仁王くんがむくりと起き上がって言った。やっぱり起きてたらしい。

そして仁王くんは本気で寝てくる、と言って保健室へ向かった。

いいよねサボってても成績いいんだもん。私が成績いいのは必死に勉強してるからだし。あっ、でも次の授業は芸術系の選択だからあんまり影響しない…かも。

なんて思っていると昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。つまり午後の授業開始まで後5分。

お菓子食べ終わってないんだけど。


「お、鳴ったな。鈴どうする?」
「せっかく丸井くんがくれたお菓子だし、味わって食べたいなぁ」


そう言うと丸井くんの表情が固まった。え、どしたの。


「いや……それはずりぃって」
「ん?」
「なんでもねぇよ!てかそれ、授業受けるの面倒くせえだけだろぃ!」
「そうかもしれない」


少し困ったような表情をした丸井くんだったが、すぐに笑顔になって私の頭を叩いた。軽くだけど。私もつられて笑た。





伊織さん、やっぱり私頑張れませんでした!





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