マネージャーのお仕事
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部活終了後、私の歓迎会をしてくれるという事で学校近くのファミレスに来ていた。

私の隣に柳くん、目の前に幸村くん、その隣に真田くんが座ってる。他の四人は隣のテーブルだ。

この三人と一緒はちょっと緊張するんだけど。


「で、どうだった?マネージャー初日は」


そんなことを思いながら縮こまってムシャムシャとサラダを食べていると、幸村くんにそう聞かれた。


「あ−、んー」


正直、思っていた以上に大変だった。ドリンク作りとか掃除とか洗濯とか、やることは決まってるんだけどまあ量が多くって。

その旨を伝えると、隣の柳くんがクスりと笑って。


「部員が3人がかりでやっていた仕事を1人でこなしたんだ。大変だっただろう」
「3人がかりだったの!?」


ビックリした。多いとは思ってたけどそれほどとは。


「ああ、俺達下級生が交代でやっていた仕事だ」
「そっか、そりゃマネージャーが欲しいよね」
「ああ。今までは部員の練習時間を少なからず削っていたからな。植原が来てくれて助かった。済まない、大変だろう?」
「真田くん……」


深々と頭を下げてそう言ってくれた真田くん。


「今まで顔が怖くて近寄りがたかったけど、実は優しいんだね」
「ぶッ!顔が怖いって」


私がそう言うと、幸村くんが吹き出していた。


「……笑うな精市」
「そう言う蓮二だって、肩が震えているよ?」


あ、まずいこと言ったかも。真田くん固まってる。


「そうか……顔が怖くて近寄りがたいか……」
「違うよ?顔が怖いって悪口じゃ無いんだよ?ほら、威厳があるっていうかオーラがあるっていうか」
「鈴いいよ、真田の顔が怖いのは事実だ」
「幸村くん!?」


幸村くんは凄いニコニコだ。真田くんがどんどん落ち込んでいくんだけど。


「良いんだ植原……幸村の言う通りだからな……」
「ごめん、気にしてると思ってなくて……真田くん意外とデリケートなんだね」
「言われてんじゃん真田、うける」
「ちょっと幸村くん」
「ふむ、弦一郎はデリケートな面も持ち合わせている、と」
「柳くんデータ取ってないで何とかして?いや私が悪いんだけど真田くん可哀想」


幸村くんがゲラゲラとすっごく楽しそうに笑いながら真田くんの顔をぺちぺちと叩いている。あなたは鬼か。魔王か。

うん、本当ごめんね真田くん。顔が怖いとか二度と言わないから。


「おーい鈴、デザート頼もうぜこっち来いよ!!」


そんな事を思いながらサラダを食べ切ったところで隣のテーブルから救いの神の如く声がかけられた。

丸井くんが隣に座っていたジャッカルくんを押し退けて手招きしている。ありがとう丸井くん、そしてごめんねジャッカルくん。


「えー、鈴行っちゃうのー」
「うん、やっぱり食後のデザートは重要だからね!」


ま、こっちでも食べれるんだけどね。デザートは折角なら美味しく食べたいからね。




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