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早速だが、わたしは今とても不味い状態に置かれている。どれくらい不味いのか。
下手したらクビが飛ぶ。死ぬ。……そんな呑気なこと言ってられないくらいには不味い。
今日はわたしにとって人生の節目とも言える大切な日。正式に海軍に入隊する、まあ言わば入隊式がある日なのだが、そんな大事な日にわたしは……
寝坊するという大失態を犯した。
「ああああああうそうそうそやばいいいい!!」
慌てて飛び起きたはいいものの既に式の開始時間まで残り数分。あいにく家から本部までは結構、ざっと5kmくらい距離がある。
絶望的。やっぱり寮に住んでおけば良かった。
パジャマを脱ぎ捨て枕元に用意してあった真新しい制服に袖を通しながら洗面台に走った。バシャバシャと顔を洗い乱暴にタオルで拭きそのま玄関に向かう。
寝癖なんてものは帽子で誤魔化せばいいのだ。
「よし!行ってきます!」
そうして出発の準備をものの数十秒で終えたわたしは慌てて玄関を飛び出し海軍本部に向かい全力で走った。
半泣きになりながら全力で。空中を。
六式の修行してて良かった!
***
結果から言うと、式には無事間に合った。間に合ったのだが。
(うわぁ……めちゃくちゃ睨んでる)
わたしを含めた新兵がずらりと並ぶ広場。前方に元帥のセンゴクさんを始めとした将校が並んでいらっしゃるその中に、わたしの師、であり育ての親でもある海軍の英雄こと中将モンキー・D・ガープも居るわけだが、まあこの方が鬼のような顔でわたしを睨んでいるのだ。
バタバタと広場に駆け込んだのをしっかり見られてたらしい。多分。
怒られるだろうとは思っていたがあそこまでとは思わなかった。わたしの周りの海兵もガタガタと肩を震わせるくらいにはビビっている。
いやだってあの顔が自分に向けられてるかもしれないって思ったらそりゃビビるよ。
鬼だもの。
まあわたしに向けられているのだけれど……目が合わないようにしよう。
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