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「……おつかれさまです?」

目を開けると何故か目の前にスモーカーさんがいた。その眉間にはペンか何か挟めるんじゃないかと思うほど深く皺が刻まれていて……うん、多分怒っている。そんなに怒られるような事したっけ?

…してるわ、休憩と言う名の昼寝タイム。いそいそと身体を起こしてグッと両腕を伸ばすと、広いとは言えないソファで丸まっていたせいかかなり固まっていたようでボキボキという関節の音が執務室に鳴り響いた。

うん、ちょっと恥ずかしい。


そんなわたしを他所にスモーカーさんは自分の執務机に向かっていた。ドカリと腰を下ろすと、ギロリという効果音が聞こえそうな勢いわたしを睨む。えーん、こわいよー。


「お、お戻り早かったんですねスモーカーさん。てっきり今日は戻らないのかと思ってましたよ」
「んなこたァどうでも良いんだよ。今はまだ勤務時間中だよな?何してんだてめェはよ」
「いやぁ、ケーキ食べて満腹で気付いたら意識飛んじゃってました。エヘ」
「笑って誤魔化してんじゃねェぞアホ。今日中に提出の書類は終わってんのか?」
「それははい、もちろん。……後は大将の決裁貰うだけで」


デスクワークは別に嫌いじゃない。ただ最近は、あの夢のせいで眠れていたかったせいもあり机に向かっているとどうしても眠くなってしまうのだ。……言い訳じゃないよ?

チラリ、とクザンさんの方を見ると自分の机に向かいながらもアイマスクを付けて寝息を立てていた。

わたしが言えることじゃないけど……この上司にこの部下あり、って感じよね。本当スモーカーさんが不便。案の定スモーカーさんは頭を抱えている。


「まァ……てめェの仕事が終わってんなら別に良い。クソ、こいつさっきまで起きてただろォが」
「そうなんですか?だったら起こしてくれれば良かったのにー」
「青キジがてめェに甘いのは今に始まったことじゃねェだろ」


確かに。クザンさんにはめちゃくちゃ甘やかされている自信がある。その代わりと言ってはなんだがスモーカーさんはめちゃくちゃ厳しくしてくれる。そのおかげで人として駄目にならずに済んでいる気がするくらい。

うん、それは言いすぎたかも。


「話は変わるが」


そういえばと言う風に何かを思い出したように言うスモーカーさん。 


「南の海での任務が入った。長期になる予定だ準備しておけ」
「出発は?」
「明後日だ」


明後日ならまだまだ余裕あるじゃないかと思うくらいには感覚も麻痺し始めているらしい。即日や翌日出発なんてザラにあるからね。



昔々
「クザンさん起きませんね」
「いや、狸だろ」
「あ、やっぱり?怒らないんですか?」
「こいつに一々突っかかってたら身がもたねェ」
「確かに〜」
「誰かさんの面倒で手一杯なんだよおれァ」
「………………………………大変ですねスモーカーさん」
「あァ?ガープさん所に返すぞ」
「それだけはご勘弁!何でもしますから!」







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