世界一の応援を君に
ついこの前高校に入ったばかりだと思っていたのに、気付けばあたしはもう高校生ラストの一年に入っていて、気付けば大学入試もすぐそこに迫っている。
「何やってんだよ。」
急に顔を覗き込まれてびっくりして心臓が跳ねる。驚きで手を滑らせてしまったせいでノートにはシャーペンによる黒い線が一本走っている。
「びっくりさせないでよ、咲羽。」
きょとんとした顔であたしの前に立っていたのは、これまたつい最近両思いになれたと思っていたらいつの間にかもうすぐ付き合って一年になる彼氏の咲羽。
「ごめんごめん。わざとじゃねーよ。」
「わざとだったら怒るよ。」
ようやく集中し始めていた勉強を邪魔されたあたしはちょっぴり不機嫌になって咲羽から顔を背ける。咲羽はスポーツ推薦でもう大学が決まっている。まだ大学が決まっていなく、入試がこれからのあたしにとってはそれはやっぱり、ちょっとだけ、羨ましい。
「なー、ごめんって。」
本当にあたしが怒っていると思ったのか、咲羽は眉を下げてしょんぼりしながらあたしの顔を覗き込む。滅多に見れない情けない表情をした咲羽が可愛くて、あたしは思わずふき出した。
「ごめん、ごめん。怒ってないよ。」
あたしがそう言うと咲羽はなんだよーと言いながら笑ってぐしゃぐしゃとあたしの頭を撫で回す。それにつられてやめてよー、と反抗しながらあたしも笑った。少しだけ気持ちが楽になる。
「なー、なー」
「何?」
「あのさ、うー、俺らもうすぐ1年だろ?」
「覚えてて、くれたんだ?」
あたしがちょっとだけ驚くと咲羽は当たり前だろ、と恥ずかしそうに顔を背けた。ヤバイ、顔がにやける。まさか咲羽からそんな話をしてくれるなんて思ってなかったからかなり嬉しいかも。
「―っ…ほら!」
「え?」
恥ずかしそうに顔を背けながら、咲羽があたしの目の前に突き出してきたのは2枚の細長い紙。近すぎてぼやっとしていた視界はぱちぱちと瞬きをする事ですぐに晴れて、その紙がこの辺りでは有名な遊園地のチケットだと言う事がわかる。しかもチケットの下の方には綺麗な筆記体で書かれたX'masSpecialTicketの文字。
一週間ほど前にテレビで放送されていたCMを思い出す。確かかなり手に入れるのが難しいって聞いたのに。
「受験終わったら、これで合格と1年やればいいんじゃね。」
そっけなく咲羽は言うけど、顔は赤く染まっている。こんなのなれてないから好きじゃないって言ってたのに、頑張ってくれたんだ。
「、ありがとー。」
ちょっぴり泣きそうな声でそう言うと、咲羽はバーカと言いながらも、優しく私の頭を撫でてくれた。
世界一の応援を君に(がんばれ、)久しぶりに小説書いたのでおかしいところばかりな気がしてなりませんが頑張って書きました。受験生の皆さん頑張って下さいね。
>>蓬
なんか色々間違ってたらごめんね。受験頑張って!色々ありがとう。
20111021 藍羅
[ 7/8 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]