「でもさあ、その子…燐ちゃんって言ったっけ?鬼灯に似てるよね。」

一本角だし、何て言うのかな…雰囲気?それが初めて会った時の鬼灯君みたいだし。

「そうですか。」

私はただ拾って名付けただけですが…それなら嬉しい、と思うあたり、どうやら彼女を本当に自分の子どものように感じているらしい。

鬼灯君が父親かあ、と顔がだらしなく緩んでいる大王は放っておいて。

「燐?」

閻魔殿へ入る前まではしっかりと手を繋いでいた彼女の姿が見当たらない。キョロキョロと辺りを見回せば、いました。
大王の膝の上に座って、高いーと口を開いて楽しそうにしている彼女が。

「あれ?燐ちゃん、いつの間に…。」

これには大王も驚いたようで、あんまり前に行くと危ないよ、とその大きな手で彼女の小さな体を支えて。

「ワシは閻魔大王だよ。」

よろしくね、と目を細めて笑う大王に、だいおーう!と言う燐。

「りんはりんだよ。」

よろしくおねがいします、と大王を真似て挨拶する彼女に、大王は挨拶出来るのは偉いね、と頭を撫でる。

「将来は鬼灯君みたいに賢い子になるんじゃない?」
「成長した暁には、ぜひ官吏にと考えてはいますが。」

どちらにせよ、将来が楽しみだね。

大王のその言葉には頷いておきます。

「でも、こういうところは似なくて良いからね!」
「…は?」

痛い痛いと叫ぶ大王に、急に何事かと見れば、そこには大王の顎髭を両腕を伸ばしていっぱいに引っ張る彼女が。

「ほおずき、ヒゲ!」

笑顔で引っ張る燐に、もっとやりなさい!と声を掛ける。

「あい。」
「痛い痛い!マジで痛いから!しかも前にもこんな事あったよね!?」

デジャヴ!?てか、けしかけてないで助けてよ!

叫ぶ大王があまりにも五月蝿いものだから、とりあえず燐に手を離すように言った。

「君たち!年上と上司には優しくしなさい!!」


ハニー・ビーに気を付けろ



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