「燐。」 「なあに。」 ほおずきによばれて、なんだろうっておもっていると、のーととえんぴつをわたされた。 「現世で買ってきました。貴方、欲しがっていたでしょう。」 それをきいて、りん、うれしくなって、ほおずきにありがとうございますってした。だって、ほおずき、りんがほしかったのおぼえててくれたんだもん! 「私はこれから仕事があります。夕食の時には戻りますから、それまでは遊んでいてください。」 「わかった。」 いってらっしゃいってしたら、ほおずきもいってきますってしてくれた。 さっそくのーとをひらいてみる。 なにをかこうかなあ。あのね、りんね、すこしだけどかんじもかけるようになったんだよ。すごいでしょ。 そうだ、あれをかこう。 ほおずきにはないしょだからね! ―――――― ―――― 今日は、りんのすきなものについておはなしします。 まずはほおずき。 門のところでりんを見つけて、めんどうを見てくれている人。じごくの中でも二ばん目にえらい人。いつもおんなじかおをしていて、だいおうにはきびしいけど、でもほんとはやさしいんだよ。 こののーとみたいにりんのほしかったのくれるし、あたまもいいんだよ。 つぎにだいおう。 からだがすごく大きくて、ほおずきよりえらい人。ほおずきは“きじん”だけど、だいおうは“もうじゃ”なんだって。だから、ほおずきがいっぱいたたいてもすぐによくなってる。ふしぎ。 だいおうもね、ほおずきみたいにやさしいの。だからすき。 それから、金ぎょそう。 ほおずきがえんまでんのおにわでいっぱいそだててる。えほんでしか見たことないけど、おさかなのきんぎょみたい。でも、水の中にいないんだよ。へんなの。 おぎゃあってなくし、えさもたべるし、おはなみたいに水をあげないといけないし。 だから、りんもほおずきのおてつだいをして、金ぎょそうのおせわをするんだよ。おもしろいよ。 それから… ―――――― ―――― 「燐。」 「ほおずき!おしごとはいいの?」 りんがきくと、ほおずきはもうおしまいですよってあたまをなでなでしてくれた。 これされるの、りん、すき。だって、うれしくなるんだもん。 「夕食にしましょう。道具を片付けてください。」 「あい。」 いそいでえんぴつをはこになおす。それをのーとのうえにおいて……あ、わすれてた。 いそいでまたのーとをひらいて、えんぴつをだした。 ―――――― ―――― それから、まだまだすきなのいっぱいあるけど、今日はおしまい。またあしたかくね。 か・ら・ふ・る [Back] |