今日も疲れた体を引きずって家に帰って。
部屋の電気を付けるのも面倒で、記憶だけを頼りに自室のベッドに倒れこんだ。
化粧落としていないけど眠いしもういいや。サボっちゃえ。
なんて思いながら目を閉じようとした途端に鳴り響く通知音。

「何……。」

携帯電話を取り出して画面を開けば、真っ暗な部屋が少しだけ照らされて。

「ちゃんと部屋に帰りましたか……って鬼灯は私のお母さんじゃないでしょ。」

そんな一言から始まるメールに自然と笑みがこぼれる。
画面をスクロールして読み進めていけば、どれも冒頭のように私の体調ばかり気遣う内容で。自分の方がずっとずっと忙しい身なのに心配性だな、なんて。
そんな母親からのお小言メールみたいな内容の最後にほんの少しだけ。

貴方がいない部屋は寂しいですね。

「…私だって……馬鹿……。」

同じ気持ちなんだ、って思えたらなんだか嬉しくなって。
ひとりぼっちの部屋もほんの少し寂しくなくなって。
たまには素直に気持ちを伝えてあげようと、メールの返信画面を開いた。



無題


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