本丸にいる男士たちは、皆主である審神者になついている。
まあ彼女の力のおかげで人間のような肉体を得られているのだし当然だろう。
短刀たちなんかは殊更、主を母のようにまた姉のように慕い、彼女の行くところ様々付いて回る様子は見ていてこちらも微笑ましい。

「だけど、君のこんな姿を知っているのは僕だけだと思うととても気分がいいね。」

湯浴みの後の火照った身体を抱きしめてくすりと笑う。
恥ずかしそうにそれでも身体を預けてくれる様は愛しくて。

「歌仙さん。」

鈴の音のような声を響かせる唇は赤く熟れていて、果実のよう。
それでいて今夜一緒に寝てください、なんて言ってくるものだから全く性質が悪い。

「もう少し君は自覚を持って行動してほしいな。」

どういう意味かと聞き返してきた声をまるごと飲み込んで、目の前の唇に吸い付いた。


禁断の果実を口にして


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