「あ、雨。」 久しぶりにバイトが日曜日にお休みだったから、洗濯物を外に干したら雨が降ってきて。慌てて取り込んだらタオルを一枚、下の階に落としちゃって。急いで取りに行ったけど、水溜りに落ちて、泥だらけ。 お昼ご飯を食べようと傘を差して近くのスーパーまで出かける途中で、車に水を跳ねられて服はびしょ濡れ。 あーあ、ついてない。 やることもないから、友達にメールをしてみたら「ごめんね!彼氏と家デートなの!」って返ってきて。「お幸せに」って返してそのままケータイを閉じた。 せっかくのお休みなのに、気分は下降気味。最近買ったお気に入りのクッションを抱きしめてソファの上で膝を抱えた。 そのまま、眠ってしまったみたいで。ハッと気付いた時には外は夕焼けで染まっていた。 「あ、起きた。」 おはよう。よく寝てたから、起こせなかった。 そう言って笑う目の前の人にびっくりして。 「え……慶次……!?」 おはよう、よりもどうしてっていう疑問で頭がいっぱい。 どうして、今日は朝から叔父さんと叔母さんのお仕事の手伝いするからって言ってたじゃん。だから会えないって言ってたじゃん。 そんな私の疑問が分かったみたいで、彼は軽く寝癖のついた私の髪を撫でながら。 「名前ちゃんが退屈してる気がして。」 手伝いも早く終わったし、思い切って遊びに来たんだ、ってまた花が咲いたみたいに嬉しそうに笑うから。 だから。 「……ばか慶次。」 どうしてタイミングがいいんだって、照れ隠しも込めて慶次に向かって倒れこむ。 それも簡単に受け止められてしまって。 「やっと名前ちゃん、笑ってくれた。」 そう嬉しそうに言うから、また慶次に甘えたくなるんだよ。 メランコリック・ホリデー [Back] |