最近雨の日ばかり続いていた中で、久々に晴れた今日。
隣の家に住む幼なじみを誘って街まで出てみたけれど…。

「あー…。」

楽しく過ごした帰り道。
ちょうど家から一番近い駅まで着いた途端に雨が降り出した。

「今の時期は梅雨だから仕方ないだろう。」
「そうだけど…なんかショック。」

せっかく出掛けた日だったし、最後まで晴れていて欲しかったな、なんて思って小さくため息を吐いて空を見上げた。

しとしととふる雨は、しばらくは止みそうな気配もない。
どうしようかと考えていると、急にばさりと音を立てて何かが降ってきて、私の視界は真っ暗。

「な…に……これ?」

顔に掛かったそれを退かしてみれば、それは三成のパーカーで。
被せた張本人の三成は何食わぬ顔で私を見ていた。

「それでも被っていろ。無いよりはマシだ。」

いつまでも駅で雨宿りしているのは時間の無駄だ、と私の右手をとって走り出す。
走り出してすぐに雨に打たれて、パーカーから出ていた腕や足は冷たくなったけれど、繋いだ手やパーカーの触れている部分はとても暖かい。

「三成、ありがと。」
「構わん。それより足を動かせ。」

私より高い位置にある三成の顔を見上げれば、耳が少し赤く見えて、頬がじわりと熱くなるのを感じた。


動く歯車


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