私の主である伊達政宗様はとても素晴らしい御方です。
若くしてこの奥州の地を束ねる伊達家のご当主になられたばかりか、顔立ちも整っていらっしゃり、またその性格もたいへん素敵なのです。

「Hey、名前!」

そう私の名をお呼びになっては、政宗様の元へ馳せ参じる私を優しい手つきで撫でてくださいます。

「Don't speak.小十郎に見つかっちまう。」

腹心の小十郎様からお怒りを買った時も、私をも連れて城下町までお逃げになります。
……その後は当然、私達を捕まえた小十郎様にタップリと叱られるのですが。

「…流石だぜ、小十郎……。今日の説教は今月最長だ…。」

正座をしてコンコンと数時間。鬼の形相で説教なさる小十郎様へは政宗様も太刀打ちできません。2人で亀の子のように首をすぼめてちゃんとお話しを聞きます。

「私も小十郎様から怒られるのは恐いです…。」

説教される度に私は政宗様へそう言うのですが、政宗様は笑って「sorry.」とおっしゃるだけで、また暫くしたら執務の山から逃げ出されるのです。

「名前、一緒に昼寝しようぜ?今日の執務はもう終わったからな。」

また今日も政宗様からお昼寝のお誘いがありました。
当然、大好きな主のお誘いを断る等という愚かなことはいたしません。だから、私は返事をするのです。

「にゃあ!」

首にさがる政宗様から戴いた、綺麗な鈴の音を響かせながら。


大好き!


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