この状況をどう打破しようか。
今のわたしの頭はそれでいっぱいだった。
「ブン太…さん?」
目の前鼻先数センチの彼の名前を呼んでみるけれど答えは返ってこない。
一体何でこうなったのか、それは遡ること数十分前わたしが仁王とたわいのない話をしているところに丁度ブン太がきて話に加わったのだけれど仁王の悪戯心が働いてやきもち焼きのブン太の目の前であろうことか去り際にでこちゅーとやらをしていったのが原因だ。
もちろんのことブン太はその後ものすごい不機嫌になり今に至る。
「仁王のいつもの悪戯じゃない?気にすることないよ」
「…ふーん」
あ、地雷踏んだかも。
トーンの低い声がわたしの体をひやりとさせる。
「なまえは嫌じゃなかったんだ?」
「え!いや、びっくりしたよ!」
「へえ、嫌じゃなかったのか」
自嘲気味の笑いを含む声が振ってきてこれは本格的に機嫌が悪くなってきた、やばいと思った時には遅くてブン太の手が伸びてきたかと思うとそれは強引にわたしの顎を持ち上げかみつくようなキスに変わった。
「んっ…!」
苦しいと息をすおうと唇を開けばすかさず入ってきた舌がわたしを逃さない。
何度も何度も角度を変えては貪るようなキスにわたしはもうお手上げだった。
「ブン…太っ…」
「ん…っなまえのこんな顔を見れるのも」
「ぁっ…!」
「こんな声聞けるのも…俺だけだろい…?」
服の中に忍び込んできたブン太の指が体のラインをなぞるだけで体に電撃が走る。
頭が痺れて何も考えられない、わたしの火照る顔を満足げに見つめるブン太。
「折角だからなまえは俺のものだってその身体に刻み込んでやるよ─」
いよいよ拍車がかかってきたブン太にまずいと思った瞬間部室のドアが開き入ってきた真田と目が合った。
あ…真田の顔が般若に。
「貴様達何をやっている!!」
「げ」
「助かった…」
緩んだ手にずるずるとその場にへたり込む、これほど真田に感謝したことはないかもしれない。
おあずけをくらったブン太と何故か被害者であるわたしが物凄い剣幕で説教されるのはそれから数秒後の事。
嫉妬の先の結末
(神聖な部室でけしからん事をするな!!)
(明日仁王に会ったらグーパンチ確定だわ)
⌒⌒⌒⌒
最初はこんな予定じゃなかった((´^ω^))