小説 | ナノ

  


「んー…眠い…」
「こんなとこで寝ちゃだめだよジロちゃん」
 
だって眠いんだもーん…ともはや寝かけている彼をゆさゆさと揺すってみるけれど動こうとしない。
 
やっぱお昼ご飯教室で食べればよかったな…と膝の上のくるくるした髪をなでつつ後悔した。
今日は天気が良かったから外で食べたら気持ちいいだろうなーとおもってジロちゃんを誘ったのだけれど多分ジロちゃんはこうなることがわかっててわたしについてきたんだと思う。

「なまえの太もも柔らかくて気持ちEー…」
「次の授業遅刻しちゃうよ」
「良いよ別にー」
「わたしはよくないの!」

どいてどいてと頭を引きはがそうとするけれどびくともしない。
なんて欲に忠実なの!
それよりも今鳴ってる鐘本鈴じゃない?やばいよわたしこれ以上授業に後れたらマネジ業に支障がでて跡部君の雷が落ちるよ!

「ちょ、ジロちゃんほんとにこんなんばっかしてたら跡部君に怒られるよ!」

確かに最初は可愛いからいっかなんて考えてたけど、そんなことで許してたら留年よ留年。


「なんでそこで跡部の名前が出てくるのー?」
「なんでってぇ!?」


がばっと腕が伸びてきたかと思うといつの間にかジロちゃんに抱きしめられていた。

「ジロちゃん!?」
「なまえは俺のものなんだから」


どきり。


視線が交わる位置にジロちゃんが顔を寄せると真剣な目がわたしを捉えた。

「ジロちゃ」 
「…ん」 

むに、と柔らかい感触とともにジロちゃんにキスされているんだと気づくと顔に熱が集まった。

「あ、のジロちゃん…!」
「ぐー…」
「え?」

ぐー?
目を開けてみると数ミリ先には彼の寝顔。
やられた。
さっきのときめき返せ!

仕返しにほっぺをつまんでやるとんーと顔をしかめたものの起きる気配は全くない。
 
「はあー全くわたしの王子様は困った人だ」

幸せそうに眠るジロちゃんに今日だけ特別だからね、と囁くとちゅっと軽く口づけてわたしも眠りについた。



あいすべきもの
(可愛すぎるのにも困ったものね)


⌒⌒⌒⌒
ジローどんなだったかあやふやです((´^ω^))
 
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