走った先、目の前に救いがあると、あったと思ったわたしの目に飛び込んできたのは絶望だった。

   











水谷と、千代がいる。

楽しそうで。

笑ってて。

お似合い…で。

わたしはひとりで何してるんだろう。
なんでここに突っ立ってるの?
水谷の見たことのない顔が沢山。

分かる、ずっと見てたんだから、特別な人が見せる特別な顔。
わたしだって同じだから、あの顔が他の誰かに見せるものと違うものくらい…分かる。
胸が引き裂かれるような強い痛みに思わずその場にしゃがみ込んだ。


(お願い、気づかないで)

こんな顔みられたくない。
こんな気持ちで会いたくない。
これ以上あの二人を見ていたくない。
色んな思いがごちゃごちゃになってとにかく逃げたくて、でも体が鉛みたいに重たくて動いてくれない。

「竹本!」
「っ…阿、部?」

ぐい、と腕を引かれてしゃがんでいた体が傾いたかと思うと次の瞬間には阿部の腕の中にいた。

「なっ…やっ!!」

突然のこととさっきのことで思い切り突き飛ばしたはずが、阿部はびくともしない。
むしろ背中に回された腕はがっちりとわたしを掴んで離さなかった。

(こんなとこ水谷に見られたくない!)


「いいから、少しじっとしてろ」
「や、だ離して…!」
「あの二人が行くまでだから」 
「!!」 


なんで阿部がそんなことするのよ…。
長いようで短い数秒間、阿部の腕の中でただお互い黙ったままやり過ごした。
 


何で阿部がわたしにこんなことをするのか。
水谷が千代を好きだってこと。
考えは尽きなかったけど今は何故か目の前の温もりが心地よくて少しだけ、ほんの少しだけ気持ちが軽くなった。
  
  
  
知らない横顔
(わたし、これからどうすればいいんだろう)
   


⌒⌒⌒⌒
130705
一年ww更新しなさ過ぎて文才皆無です/(^o^)\
とりあえず思いついたのでばっと衝動に任せて書いてみました!



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