「あれ、もしかしてふみき?」
「え…?わぁっ!」


学校帰り、チャリで皆とコンビニ寄って今日はアイスとケーキどっちを食べようか迷ってたそんな時、後ろから名前を呼ばれて振り返った懐かしい顔に、俺は目を丸くした。


「あーやっぱりふみきだ!久しぶり、元気してた?」
「う、うん!てか、わーびっくりしたぁ」
「あ、急に声かけちゃってごめんね」
「いや全然!嬉しかったよ!」
「そう?ふふ、ふみきは相変わらず変わんないねー」


くすくす笑う顔にドキリ。相変わらず変わらないのはそっちだって同じだって、相変わらずその笑顔は俺の心臓に悪い。顔赤くなってないといーな。せめてもの苦し紛れにえへへと笑っていたら、前からポテチを持った栄口がこっちに気づいて寄ってきた。


「あれ?水谷誰と話してんの?」
「さ、栄口…」
「ふみきのお友達?」
「…野球部の」
「へー野球まだ続けてたんだ!」
「…水谷、彼女?」
「ばっ!ち、違うから!」
「あたし達元中が一緒なの」
「元中…?」


なんだーと残念がる栄口に、これ以上詮索すんなと目線を送って背中を押したら、苦笑しながらお邪魔しましたーって、もうちょっと早く気づけよ!
居なくなったのを確認して、また彼女に向き直った。


「なんか、優しそうな人だったね」
「そうかなぁ」
「そうだよ」
「……」
「……」


って俺バカ!話終わらせてどーするの!あー…こーゆう時ってどーしたら良いか分かんない、栄口追い払わなきゃ良かったかな…。いやでも折角久しぶりに会えたんだからやっぱり二人きりで話したいし…。実は目の前の彼女俺の初恋の人だったりして、こんな所で偶然会うなんて思ってなかったからかなり緊張してる。
もーしどろもどろだけど、ある意味これってチャンスだよな。言えないまま、まだ残ってた気持ち。告白まではいかなくてもきっかけ位は…!


「あ、あのさ…」
「ん?なに?」
「俺達の高校って、そんな離れてないよね」
「うん、割と近い方だよね」


汗ばんだ手の平を、ぎゅっと握る。頑張れ、頑張れ俺!これはチャンスなんだ。


「じゃあ今度さ、」




「逢いに行ってもいい?」
(ついでにメアドも交換しようよ)



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120807