夕方の学校の礼拝堂は好きだ。夕焼けに映るステンドグラスがキラキラしてて、わたしの色々複雑な感情を穏やかにしてくれる気がする。

長椅子に横たわりながらそんな考えにふけっていると、外からパタパタと足音が聞こえてきて、思わず顔を歪めた。
思った通り、わたしの前にはいつの間にか息を切らしたりおが立っていて、こっちをじっと睨んでいる。(てゆーか練習着位着替えてきなさいよ)


「探した」
「…」
「何でいっつもオレから逃げるのォ」
「…」
「パンツ見えてるし」
「えっち」
「なっ!聞こえてるんなら答えてよォ!」


きゃんっと叫ぶりおに別に逃げてる訳じゃないんだよーと言いながら起き上がる。只、たまに一人の時間がほしくてここに来る時があるだけ。りおだってわたしが居なくなった時はいつもここに居るって分かってるんだから探し回る必要なんてないはずなのに、覚えが悪いんだか何だか。


「そもそもりおーはさ、何でそんなにわたしと帰りたがるの?」


幼なじみでもないし、只のクラスメートであって、席が隣でちょっと仲が良いだけじゃない。
首を傾げながら尋ねるとかあってりおの顔が赤くなって、あ、わたしこの反応見るの好きかも、何て小悪魔的な事を思う。

「そ、そんなの決まってるでしょオー!」
「えー?わかんないなあー」
「なーっ!」


りおの反応が楽しくて礼拝堂の真ん中でくるりと一回転しながら、わたしは思う。あぁ、さっきみたいに一人で過ごす時間も充分すぎる位好きだけど、


「りおー、」
「な、なァに?」
「帰ろっか?」



夕焼けロマンチスタ

(こうやってりおと過ごす時間の方がもっと好きかな)



⌒⌒⌒
120802
利央大好きです\(^^)/