寒空の下、屋上で携帯とにらめっこする事早5分、やっと決心がついたとゆう様子でわたしは親指で真ん中のボタンを押した。
ピッて音と共にディスプレイには削除中の文字。あぁこれでやっと解放されるんだという安心感と、もう二度と元には戻れないという虚しさが半分ずつ胸の中を占めた。
さよならわたしの青春の日々、なんて少し感傷に浸っていると、高台の下からヒョイと顔を出して先輩みっけって笑う準太の姿が映って。


「準太、授業はどしたの」
「なまえ先輩こそ、こんな所で何やってんスか」


お互いにじっと見つめあって、それからまぁいっか、なんて笑いあった。何より今一人で居たくなかったし、逆に準太が来てくれて好都合かもしれない。
再び携帯に視線を移すとメールッスか?と準太が覗いてきたから違うよと返す。(寧ろ逆かな)


「元カレのアドレス消してたの」
「え、」


目を真ん丸くして先輩北村先輩と別れたんスか、と驚く準太にまあね、と返してごろんと横になる。
丁度削除も完了した所で、もうホントに元には戻れない現実を突き付けられる。
悲しいんだかホッとしてんだか分からない感情のまま準太を見ると、何だか複雑な表情をしていた。


「なに、どしたの準太」
「なまえ先輩から振ったんすか」
「え?」
「北村先輩の事」


ちょっと不機嫌そうな準太に、少し笑いながらも首を横に振ると、準太は更に機嫌を悪くしたみたいで、北村先輩サイテー、と毒づいていた。


「はは、準太が怒ることじゃないじゃん」


これ、わたしとアイツの問題だしね、と笑うと準太は顔をしかめて関係大有りだし、と呟く。
その言葉にえ、と疑問を返すのと黒い影がわたしに覆いかぶさるのとは同時で、気づいたら目の前には準太の顔があって、唇には何か押し当てられていた。


「なまえ先輩が別れたの、俺にとっては好都合なんですけど」


次の彼氏、立候補してもいっすか、と笑う彼にわたしは不覚にも心を奪われてしまったようだ。



新しい恋、はじめます

(準太ってばかっこよすぎ)
(そーゆう先輩は可愛すぎッス)



⌒⌒⌒
120730
かっこいい準太が好きです(^^)