好きだって、分かったのは良かったと思う。だって、じゃなきゃあたし、今まで感じてたこの全部のモヤモヤをこのまま引きずってたと思うとぞっとするし。
ギーコギーコぶらんこを揺らしながら腫らした目でどうやって帰ろうかなー何て考え出し始めた時、今一番会いたくて、会いたくない相手が姿を表して、あたしは目を丸くした。
どうして、とか、何でここが分かったの何て言う前に、ん、と沢山詰まったコンビニの袋を差し出されて、あたしは言葉をそのまま飲み込む。全く意味の分からないまま受け取って、更に中身を見てみると、沢山のゼリーがあふれんばかりに入っていて、もっと意味不明。
「何なのこれ」
「見て分かんねーかよ、ゼリーだろ」
いや、ゼリーだっていうのはわかるんだけれども、何でゼリー?思ったままを疑問に出すと修吾はだってゼリー食って怒ってたんだろって…あ、あのねえ。
「別に、そんなんじゃないよ」
そもそも修吾が食べたのゼリーじゃなくてプリンだし、と付け加えるのも忘れずに。
「あーくそっ、じゃーどーしてだよ!」
「・・・」
イライラしてるのか、頭をかいて更に目を吊り上げる修吾をじっと見る。
ここは、言ってしまうべきなんだろうか、言って、すっきりしてしまうべきなのかな。頭の中をぐるぐると色々な考えが渦巻く中、口を開いたのは痺れを切らした修吾が先だった。
「そもそも!泣き顔とか他の奴に見られてんなよ!」
「え…?」
「畠が…っお前見たってゆーから」
ああ、だからここが分かったんだ、納得。っていやいや、今何て?泣き顔って、別にあたしがどこで泣こーがそれを誰かに見られよーが修吾に関係ない訳で…あれれ、これは期待しちゃっても良いって事なのかな。ちらりと修吾の顔を見るとほんのりとだけどほっぺたが赤い気がする。これはあたしの気のせいじゃないよね?ぐるぐるしていた思考は徐々に固まっていき、あたしの口はやっと動きだした。
「あのね、あたしが泣いてたのは、修吾が好きだからだよ」
こんな泣き腫らした目で告白ってゆーのもちょっとあれかもしれなかったけれど、修吾の顔を見たらそんなの気にならなくなった。プイっとそっぽを向かれたけれど、心が痛むとかそんなのはなくて。長年幼なじみやってるからかそれが照れ隠しだってゆーのはお見通し。
耳まで真っ赤になりながらも差し出された手をあたしもぎこちなく握って、家路を歩きだした。
「ねえ修吾?」
「ん、」
「帰ったらゼリー、二人で食べよーね」
叶くんと幼なじみ終
(おう)
⌒⌒⌒
120730
完結