あんなに喧嘩したの、久しぶりだ。
アイツが出ていったドアを見つめながら、ソファーに座る俺はふとそんな事を思った。
だって、ゼリー一個でそんな怒る何て誰も予想しねーし、アイツの心が狭すぎるだけだろ!と意地でも自分は悪くないといまだに主張する俺は、我ながら子供すぎると思う。

けど、やっぱり自分から謝るなんて事出来ないから、こうして待っているんだけど。



「流石に遅すぎる」


携帯をパカッと開いて、時間を確認する。ってもう出てってから1時間もたってんじゃねーかよ!
昔だったら10分もすりゃ修吾ーとか泣き腫らした目して帰って来てたのに。今はもうそこまで子供じゃないってか。


「・・・・」


罪悪感と心配で、ホントは今すぐにでも探しに行きたい所なのに、生憎素直じゃない俺がそうさせてくれない。

携帯でメールでも打つか?でも何て?だったら電話のが早いだろ。

グルグルと悩む頭を抱えてどうしようか迷っていたら、ぴかぴか携帯が光ったから、てっきりアイツだと思って開いたのに差出人が畠だった事に俺は酷く落胆する。

「何だよもー!」

畠に八つ当たりしても意味ないが、こればかりはしょーがない。(期待させた方が悪ィ)
イライラしながらフォルダを開いて内容を確認すると、そこに書かれていた短いだけの文章に頭が真っ白になった。





「…あんのバカッ!」


ガバッとソファーから飛び起きると、一直線に玄関へと向かう。
素直とか、素直じゃないとか、もうそんなのどーでも良い。ていうか、気にしてる余裕、無くなった。
ガチャリと鍵を開けて家を飛び出すと、一目散にアイツの居る元へ駆け出して。

リビングに置きっぱなしの携帯のディスプレイに写る畠からの文面は、プライドが高い俺でも動くには十分すぎる内容だった。



『お前の幼なじみ、公園で泣いてたぞ』




叶くんと幼なじみ2

(なに他の奴に泣き顔見られてんだよ!)



⌒⌒⌒⌒
120730
畠の喋り方を忘れた\(^^)/