「あぁあー有り得ない!」
「は?何がだよ」
「修吾あたしが取っといたプリン食べたでしょー!」


冷蔵庫の中を開けて驚愕。あたしが大事に大事に取っておいたはずのプリンが忽然と姿を消していて、隣で牛乳を飲む修吾を睨んだ。

「あぁ、あれか」
「あぁって!なんで食べちゃうの!」
「何でって、お前人ン家の冷蔵庫に入れとく方が悪いだろ!」
「でも誰のか分かんないんだから食べなくてもいいじゃん!」

家族間でも遠慮は大事でしょ!つってもお前こそ幼なじみだからってもう少し遠慮しろ!何て、これで16年間やってきたんだから今更そんな事言わないでよ!
修吾の勝手さには毎度毎度うんざりするけど、もう限界。あったまきた、絶交よ絶交!


「修吾のバカアホ大っっ嫌い!」
「な、俺だってお前みたいな幼なじみ要らねーよ!」
「ひっど…!」


面と向かってそんな事言われたの初めてで、あたしは一瞬愕然とするけど、ここで泣く訳にはいくまいとこっちこそあんた何てお断りよ!と叫んで修吾の部屋を飛び出した。


何よ何よ!あそこまで言う普通!?うるうるするのを必死に抑えて走っていると、調度良く公園を見つけて、あたしはそのままベンチに座り込む。

今までケンカしたってそんな事言わなかったのに・・・何て自分からケンカ売っといてあれだけど、流石に限界、あたしの目からはぼろぼろと涙が零れた。

「ううぅ…っ」

ズキンズキンと、思いに反して痛む胸が、どうしようもなく苦しくて。
別にケンカ何てしょっちゅうするのに何で今日に限ってこんなに悲しいんだろうって思ったけど、あたしみたいな幼なじみ要らないってゆった時の修吾の顔を思い出して再びズキンと痛んだ胸に、何となく分かってしまった。




叶くんと幼なじみ


(あぁそっか、あたし、修吾の事が好きなんだ)



⌒⌒⌒⌒
120730