行きなれたシンプルな部屋のベッドに腰かけて、まだかまだかと部屋の主の帰りを待つ。
下からただいまーと言う声が聞こえたのと同時にぴくんと反応した自分の肩を抑えて、わくわくと期待に胸を踊らせた。
今日は修吾何して遊んでくれるかなーなんて思いながら、ばふっとベッドにダイブすると、それと同時にガチャリと修吾が部屋のドアをあけて眉間にシワを寄せた。


「おまっ…また勝手に入ったのかよ!」
「うんだっておばさん入っても良いって言ってくれたしー」


おふくろの奴…と更に眉間にシワを寄せる修吾にまぁまぁ落ち着きなさいや。


「てかお前何人のベッドに横んなってんの」
「だめ?」
「別に良いけどパンツ見えてんぞ」
「うっそ」


がばっと起き上がって慌ててスカートを押さえればうそだよバカ、って上から笑いを含んだ声がした。


「修吾のバカエロ」
「は?お前が勝手に横になってんのがわりーんじゃん」


けらけら笑ってわたしの横に腰掛ける修吾にむっとして、頬を思いっきりつねってやるといてーな!とつねり返されて乱闘騒ぎ。しまいには二人ともそのままベッドに共倒れしてしまった。


「しゅーご重い」
「……」
「修吾?」


無反応な修吾を見ると、意外とわたしと修吾の距離は近くて、互いの唇まで後数センチ。
少し真顔の修吾にドキリと胸がなって、見つめ返すとギシリとわたしの顔の両脇に置いてある修吾の手が動いた。

ゆるりと頬をさする手にやけに熱が集まって、わたしは近づいてくる修吾の顔にゆっくりと瞼を閉じた。



もしもしクロネコさん?

(にぼしはいかが?)
(お前を食ってからいただこうか)



⌒⌒⌒
120730